このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

からみ系

ドウセンの論文、これはサイコー:命題論理とタングル

コスタ・ドウセンとゾラン・ペトリック(Kosta Dosven and Zoran petric')の"Coherence and Confluence"(arXiv:math/0506310v3)を見つけた。僕の理解力とか好みにたまたまマッチしたということだろうが、これは面白い! スゲー面白い。11ページしかないか…

カウフマンを読みたい:振幅

カウフマンのこれ: Title: Teleportation Topology (28 Jul 2004, 17 Apr 2005) Author: Louis H. Kauffman URL: http://arxiv.org/abs/quant-ph/0407224 Pages: 17 短いから読みたい。カウフマンのあの独特の感性、よくわからんのだが魅力的。語り口はわか…

黒板枠付け

黒板枠付けはカウフマン本に載っていた。

図式コンテキストと記号回路

スケイン関係式の定式化で図式コンテキスト(型付きプレイスホルダーが含まれる図)が必要だと書いた。 スケイン関係式 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 一般化スケイン加群 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 以前から気になっていた記号回路って概念(…

フォックスの定理

直前のエントリーは、次を読んで思ったことだ。 Bob Coecke, Dusko Pavlovic "Quantum measurements without sums" http://arxiv.org/abs/quant-ph/0608035 このなかに、フォックス(Fox)の定理というのが出てくるのだが、なかなかに凄まじい。概要を以下に…

自明が自明ではない:コンパクト閉圏内のフロベニウス代数

対称性を仮定しないコンパクト閉圏(自立圏と呼ぶことにしたのだった)には自明なモノイドがある。次のエントリーに書いておいた。 自律圏(旧称:堅い圏)には自明なモノイドがある - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 が、これが含意する内容は全然自明で…

テンパリー/リーブ代数とかフロベニウス代数とか、どう理解するか

表題にテンパリー/リーブ代数と書いたが、実際はテンパリー/リーブ代数よりもっと基本的な代数なんだが、どうも特定の名前がないような気がする。まー、圏として見れば、「直進圏とその変種」で書いたようなタングル圏の変種のこと。フロベニウス代数は線…

一般化スケイン加群

スケイン関係式に関して、穴と図式コンテキストの概念を書いた。穴は型付き(dom, codが指定されている)変数だと思ってよい。となると、図式コンテキストは一種の項だろう。穴に名前か番号を付けたセットを考えておけば、代入もできる。名前付き穴のセット…

タングルの絵

箱入りのタングルの説明をしようと思って描いたドラフト。

輪が組み替えられると

惰読用の本(もうどっかにいった)に面白い絵があった。次のようなもの。円筒とかトーラスに白と黒の輪ゴムが巻き付いているとする。その2つの輪がぶつかって交差する。2次元というより、これも(2+ε)次元で考える。なんかのはずみで2本の輪に組み替えが起こ…

カウフマン図を(2+ε)次元で考える

まず、狭義のカウフマン図は2次元図形だと考える。ループを入れて広義のカウフマン図を考えた場合、2次元だと、どうしても次の点がスッキリしない。 ループだけがなぜ自由に移動できるのか? それで、カウフマン図を(2+ε)次元の幾何で考える。厚みがεの薄い…

カウフマン流のテンパリー/リーブ圏とアルチン型定理

テンパリー/リーブ圏 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編あたりから、少しは理解が進んだ。書いておく。2次元のn点(n紐)カウフマン図にループ数のカウントkを組にしたものを射とする圏Dを考える。初歩的な圏になるが、分断的かつ可逆(亜群)となる。D(n,…

ねじれ付き(枠付き)絡み目のねじれ付き不変量

やっぱり、カウフマンブラケットはねじれ付き無向絡み目に対して定義するのが自然だな。ねじれ(ひねり)はねじれ乗数(twist factor)に表現される。輪っこもねじれもスカラー乗法になるのは不思議な気もするが、スプライシング(交差の解消)とヤンキング…

ボロミアン環とブルン絡み目

ボロミアン環(ボロミアンリング Borromean ring)については、http://en.wikipedia.org/wiki/Borromean_rings 。イタリアのボロミオ家(Borromeo family)の紋章だったんだそうだ。ボロミアン環は、ブルン性(Brunnian property)を持つ。ブルンはHermann B…

(2+ε)次元の幾何、ひねり付きブラケット

結び目、絡み目(リンク)、もつれ(タングル)などの幾何は、もともとは3次元内の全同位による同値類を考えるのだが、しかし、操作的には2次元に張り付いた紐のハナシになっている。交差が2種類ある点で2次元ではないのだが、この交差の上下はZ方向にε(任…

ポッツ模型やらイジング模型やらと彩色多項式

分配関数はスピン配位(状態)の実現確率の規格化(分母)に使うようだ。指数分布ってのがどうもわからんが、ともかくも、状態σが実現する確率 W(σ) (なぜかPじゃなくてW)が次の形で与えられる。 (1/Z)exp(-E(σ)/kT) Eは状態σのエネルギー、k = kβがボルツ…

スケイン関係式

スケイン関係式が、そもそも用語として意味不明だった。すこし調べた。まず単語「スケイン (skein)」だが、和訳は「かせ」、「一かせの毛糸」とかの用法がある。毛糸を束ねてグリグリとねじったのが「かせ」らしい。ストランドもブレイドも髪の毛と関係ある…

ブレイドやタングルの表現とマルコフ・トレース

環(多元環)上の加群が、その環の線形表現と同義であるのと同じように、ブレイド付き圏(braided category)は、ブレイド圏の表現と同義だ。 対称付き圏(対称モノイド圏) = 対称の圏(置換の圏)の表現 ブレイド付き圏 =ブレイド圏の表現 対称コンパク…

続・一般ブラケット

ブラケットの公理は、トゥラエフのΨ移動、ヤンキング、ヤン/バクスター関係式だった。∇がV上の非退化双線形形式、RがV×V上の可逆オペレータ(R行列)として、次を要求する。IdはVの恒等、×はテンソル積、R'はRの逆。 (R×Id);(Id×∇) = (Id×R);(∇×Id) [Ψ移動 …

一般ブラケット

カウフマン・ブラケットに限らず、タングルの圏からベクトル空間(あるいは加群)のテンソル圏への関手が、ある公理を満たすとそれをブラケットと呼んでいる。その公理の内容は要するに、内積V→V*、上から下に見て∪に対応する双線型形式 V×V→K(Kはスカラー…

ポッツ模型と記号力学

http://en.wikipedia.org/wiki/Potts_model では、1次元ポッツ模型が記号力学で定式化できるようなことが書いてある。

ブレイド閉包とホップ絡み目

(`/;`/) というブレイドを閉じるとホップ絡み目になる。これは簡単に示せる。その類似として、右トレースと左トレースが右トレース2回と同じかと思ったらオオマチガイ。って図がないとわからんな。

正規化ブラケット

別なカウフマン・ネタ。<->をカウフマン・ブラケットとして、有向絡み目Kに対して次の量Lを考える。 L(K) = (-A3)-w(K)</K/> ここで、Aは基本的な関係式(スケイン関係)の係数(ローラン多項式の変数でもある)、w(K)はKのひねり数、/K/はKを無向化した…

拡張ライデマイスター移動

カウフマンが5種の移動からなる拡張ライデマイスター移動を定義している。追加その1はジグザグ等式。その2が、ブレイド交差をねじって斜め卍にする変形。仮に、カウフマンの卍変形とでも呼んでおこう。カウフマン卍変形は、布や粘土を回転する感じで面白い…

手作りトレース

n点テンパリー/リーブ代数のi番目の生成元をHniとする(Uは使わない)。特に、H = H21。単位元をInとする。特に、I = I1。係数環Rとループ乗数τを固定して、テンパリー/リーブ代数をTL(n)とする。TL(n) = TL(n, n)とみなして、TLはR-線形なモノイド圏(R係…

ポッツ模型

テンパリー/リーブ代数がポッツ模型(Potts model)と関係するらしい。カウフマンの解説はイイカゲンらしいが、それでも面白い。よく分かってないが、ともかくもメモしておく。分配関数Z(G)平面無向単純グラフGを考える。Gが単純とはループも多重辺も持たな…

続・ジョーンズ/カウフマン理論

Uiをカウフマン図によるテンパリー/リーブ代数の生成元として、適当なスカラーαで、ei = α・Ui とすると。 eiei = ei eiei+1ei = τei とできる。α2 = 1/τ 。カウフマンは、σをブレイドの正交差として tr(xσn) = τ・tr(x) をマルコフの性質と呼んでいるが、…

ジョーンズ/カウフマン理論

ジョーンズ多項式関係をカウフマンが整理した体系をジョーンズ/カウフマン理論と呼ぶことにする。その構成要素は: ライデマイスター移動 (背景にライデマイスターの定理) アレクサンダーの定理 マルコフの定理とマルコフ変形(マルコフ移動) トレースの…

ジョーンズ多項式、なんか勘違いしているようだ

捻る<ひねる>と捩る<ねじる>はどう違うんだろう? 「捻る」で<ねじる>とも読むし、撚る<ひねる>もあるな。それはそうとして、2点(紐2本)ブレイド群(むしろブレイド圏全体の話だが)をテンパリー/リーブ代数に埋め込むとして、ループの乗数τと、…

クロス・スワップ公式からアルチン関係式

ETBダイアグラムの8節に、クロスの公理がある。最後の公理は、クロスにそって射(ボックス)をスワップできることを示す。これは非常に強力な公理だ。クロスをまとめる公式とスワップを使えば、アルチン関係式(ヤン・バクスター方程式)は出る。