このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

トランザクションとか

Catyのトランザクション処理くらい定式化できないと、マンダラのご利益がないよなー。ローカルリクエスターはABCシステム。トランザクションがあるから、モノイダルスタンピングモナドじゃ不十分で、モノイドの圏の上のある種のツリーモナドで拡張した代数(…

プロ関手の圏

圏の圏Catの一般化として、プロ関手の圏Profが大事なようだ。この圏の射=プロ関手の結合にエンドと余エンドを使うが、エンドと余エンドの双対性を表すには、Σ、Πという記号を使うといいと思う。特に、反転補題(reversing lemma)は自然な形になる。作用積…

インデックス付き圏

インデックス付き圏て、単にグラフ(ハッセ図)上の関数くらいのノリで扱えばいいんじゃないか。F[x]がインデックス付き圏のとき、グロタンディーク平坦化は、 ∫F[x]δx とか Σx∈XF[x] と書けばいいくらい。

インストラクションモノイドの合成法が4つもある

インストラクションセットから作られた自由モノイドが、メモリの状態空間に作用している、というのがノイマン型コンピュータの素直な定式化だろう。自由モノイドを A* のようなクリーネスターで書くとする。A*×B* が自由モノイドの直積、A*#B* が自由積=直…

モノイドの圏Monの直和に注目すべき

計算の副作用(主作用かも)の定式化はモノイドの圏となるが、モノイドの圏のなかの直和が重要だと気が付いた。つうか、前から細々とは使っていたが、これは大々的に使わないといかん、と思った。例外(exception)があると、あるストレージ(加群の台)に作…

これがアーベル圏

アーベル圏の定義 圏Cがアーベル圏とは: Cは加法圏である。 Cには核と余核がある(プレアーベル圏) Cでは、準同型定理が常に成り立つ。 アーベル圏の性質をひとつだけ アーベル圏では、 fがモノなら、f は ker(coker(f)) と射として同型である。 fがモノの…

アーベル圏手前

加法圏とプレアーベル圏 加法圏 -- ゼロと引き算も含めて、射の足し算が自由にできる圏。対象の双積も要求する。 ほんとは、半加法圏=双デカルト圏 を定義して、それに加法的対蹠(マイナス、ネゲーション)を入れて、ホップデカルト圏(Hopf cartesian cat…

準同型定理

ベクトル空間の準同型定理 写実的な絵 ベクトル空間の準同型定理 2 象徴的な絵 ベクトル空間の準同型定理 3 ベクトル空間の準同型定理では、核部分空間を「要素0の逆像」、像空間を「写像の像集合」として定義する。この定義はまったく圏論的ではないので、…

圏論からの準備

いろんいろな圏 Set 集合圏 -- しばしば使う PtSet 付点集合の圏 Rel 関係の圏 Grp 群の圏 Ab 群の圏 -- 今回の主人公 Mon モノイドの圏 -- 今回はあまり触れないが重要 CRing -- 可換環の圏(環といえば可換と仮定することもある) R-Mod -- 可換環R上の加…

あらためてアーベル圏について

参考文献 なんぞ流用できる素材がないかと、googleで "Abelian category (introduction|introductory|short|brief)" と検索してみた。意外にない。 Aaron Lauda の10ページ: http://www.math.columbia.edu/~lauda/teaching/rankeya.pdf これは非常に入門的…

アーベル圏のほうから来ました

アーベル圏とは 足し算ができる圏。ゼロと引き算もあって、それらしい計算は普通にできる。 完全列が定義できる圏。完全列として期待される性質をみたして、ホモロジー代数が展開できる。 だから当然に話題は: 足し算の話 完全列の話 足し算の話 当初は足し…

スクリーンとしての集合圏と粒子/余粒子による空間描像

http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/20111020/1319095674 の続き:Cがなんかの世界(小宇宙)だとして、世界内の対象Xがあると、対象(空間)A内にXの形(シェープ)をした粒子がどのくらいあるか? という観点から世界Cを集合圏という普遍的な世界に映し…

点/余点じゃなくて粒子/余粒子

Cが圏のとき、対象Xを固定して、HomC(X, -) = C(X, -) は集合圏への関手となる。この関手をX∧とする。同様に、HomC(-, Y) = C(-, Y) は集合圏への反変関手となる。こっちはY∨。対象Aに対して、X∧(A) は集合で、Xをベースとする点の集合、あるいはX-点(X-poi…

カテゴリカル・フラーレンの達人・クランス

クランス(Sjoerd Crans http://home.tiscali.nl/secrans/)という人がいる。On braidings, syllepses, and symmetries (1998) http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.51.3774 なんて論文を書いている(73ページもある)。このなかで、可…

ABCシステム

ABC = Action of Bimonoid on Comonoid ABC = Algebra for Buffers and Caches B = (B, ∇, i, Δ, !) が双モノイド、C = (C, Δ, !) が余モノイドとする。(B, C, a:B×C→C) がABCシステムとは: Bをモノイドとみなして、aはCへのBモノイド作用=加群=表現とな…

逆向きにたどるアーベル圏

ホモロジー代数をやりたい 完全列とその操作が必要 準同型定理 Coim と Im が必要 kerとcokerから定義される ker/cokerには、引き算、零射が必要 引き算と零は足し算がないと意味持たない 零はもちろん、足し算と符号反転も必要 となると、やっぱり軸となる…

続・モノイド圏のモノイド対象のコホモロジー

前の記事の続き。"Cohomology of Monoids in Monoidal Categories" を、CMMCと略記することにする。著者の一人はジブと表記(http://www.rmi.ge/~jib/)。CMMCが注目されないのはなぜだ? 本質的に新しい結果がないからか? そうだとしても解説として優れて…

非対称モノイド圏のモノイド対象のコホモロジー

"Cohomology of Monoids in Monoidal Categories" という論文を見つけた。1997年なのでそれほど新しいわけではない。著者の一人は、Mamuka Jibladzeだが、http://ncatlab.org/nlab/show/Mamuka+Jibladze によるとグルジア共和国の人らしい。目を引く論文は:…

半加法圏の再論

Ab豊饒から始まる加法圏の定義は嫌いだ: 半加法性、加法性が圏論的な概念であることが見えなくなる。 半加法構造、加法構造が本質的にひとつしか入らないという事実が見えなくなる。 加法を入れる楽しい議論がすべてすっ飛ばされる。 圏の有限極限/余極限…

約懸垂と双極限

幾何の約懸垂(被約懸垂 reduced suspension)は、For a pointed space (X, x0), ΣX = (I×X)/({0,1}×X ∪ I×{x0}) となっているが、I×{x0} を潰すのはやめる、つうか基点x0が最初からない。記号は同じΣを拝借する。Dを圏Cの図式として、ΣD からのグラフ射の圏…

アーベル圏/半アーベル圏の定義

以前書いた、アーベル圏の定義の話。ゴタゴタと書く。半加法圏と加法圏加法圏と半加法圏は意味がある。半加法圏のほうが自然な概念だと思う。以下が条件である。 任意の有限離散図式に同時に極限かつ余極限であるものが存在する。 これは当然に次を含む。 任…

基本的な用語がわからない

本編に書いたことがあるが、「単純」とか「既約」とか、割と基本的な用語がかえって難しい、という話。 環が非自明なイデアルを持たないとき「単純」(simple)と呼ぶ。 加群が非自明な部分加群を持たないときも「単純」でいいだろう。 しかし、既約加群とい…

ニルス・ジョンソンの米田/森田理論

ニルス・ジョンソン(http://www.nilesjohnson.net/)の米田/森田理論をチラ見したが、全然わからない。リカード(Rickard)の定理が森田定理の一般化らしいが、それを理解するには、さまざまな予備知識がいる。 The dual basis lemma -- 知らん。半加群のd…

f.α という記法とホモトピー

本編でも書いたDOTNの話。F, G:C→D で f:a→b in C だとする。α::F⇒ G:C→D があるとして、f.F, f.G, a.α, b.α を4辺とする可換四角形ができる。この四角形を f.α と書くことにする。f.αは、D→という関手圏の射として意味を持つ。f.α:f.F→f.G in D→ となる。さ…

もう少しでモノイドな代数系

結合律と左単位律を満たし、右単位律を満たさない例を見つけた。基点付き集合の直和の圏で考えるのだけど、他の圏でも出来るかもしれない。(A, ⊥A), (B, ⊥B) などを基点付き集合圏の対象として、直和は、AとBの集合直和を作って基点⊥Aと⊥Bを同一視した新しい…

圏のサークル

サイクルじゃなくてサークル。イエッターの本で、圏Cに対して E(C) = Σ(A∈Obj(C) | End(A)) として、E(C)にトレース同値 f;g = g;f を入れた集合を定義していた。同じ概念に別な定義をしている例もある。そしてこれは、圏のサイクルとかループとか呼ばれるこ…