続・モノイド圏のモノイド対象のコホモロジー
前の記事の続き。"Cohomology of Monoids in Monoidal Categories" を、CMMCと略記することにする。著者の一人はジブと表記(http://www.rmi.ge/~jib/)。
CMMCが注目されないのはなぜだ? 本質的に新しい結果がないからか? そうだとしても解説として優れている。独自の視点とか方法論が感じられる。ジブのホームページ http://www.rmi.ge/~jib/ に他の論文もあるが、一般代数を現代的に展開している感じ。非常にメタな話と、具体的で泥臭い計算が混じっているのが面白い。
CMMCのコホモロジーはある程度は(かなり面倒だが)実際に計算できるはずだ。余鎖複体の定義は具体的だ。次の例で計算したい。
オペラッドはよくわからんから無理だ。
Cがアンビエントとなる(非対称)モノイド圏、GがC内のモノイド対象のとき、最初に係数圏Coef(C, G)を求めなくてはならない。これだけでも一作業。次に係数圏から係数対象を選んで余鎖複体を作る。余鎖複体のコホモロジーを求める。低次の部分は、定義とは別な方法でも計算できる。
モナドのコホモロジーとして、モノイダルスタンピングモナドのコホモロジーを計算すると、元のモノイドのコホモロジーとどう関係するのだろう? 圏のコホモロジーを圏環(圏代数)のコホモロジーで計算する例があったが、あれとはどう関係する?
そもそもの動機がオートマトンのコホモロジーだから、最終的にはオートマトンに対して意味のあるコホモロジーが定義できるどうかが問題だ。そういえば、力学系のコホモロジーの計算もあったが、あれは力学系を小圏とみてのコホモロジーのようだった。力学系はオートマトンの特殊例だから、オートマトンのコホモロジーは力学系のコホモロジーを包含しなくてはならない。