このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

形式言語理論

ベキク〈bekic〉の公式

まず、Bekicの発音、 https://www.howtopronounce.com/bekic/ ベキクでいいようだ。関連する記事は、 http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/20131001/1380609526 双コンウェイ圏の構造を探る http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/20080527/1211875554 注目…

問題と解法

Σ = {1, +, -} E→ 1 | EE+ | E- Eを式(その定義は上の文法)として、 S→ E S→ SE P→ S | SEE+ SはEのシーケンスで、Pはプレフィックスから。Eの言語をL, Pの言語をL'として、ターゲット命題は L' = Prefix(L) M = Prefix(L) とすれば、 L'⊆M M⊆L' 2番目の証…

正規言語のブール演算とか操作とか

簡単な方法 合併: 正規表現の'|'があるので、それが合併 否定: DFAの終状態(受理状態)と非終状態(非受理状態)を入れ替える。NFAをDFAにする必要がある! 共通部分: ド・モルガンの法則 集合差: L\L' = L∩L'c 対称差: L△L' = (L\L')∪(L'\L) 直接…

パリク写像

Ψをアルファベットとする。(Σは総和に使うので) NΨ をN係数でΨから生成された可換モノイドとして、これをパリク格子と呼ぶことにする。パリク・ベクトル空間と呼ぶことが多いが、混乱の危険があるから。 Ψのクリーネスター=自由モノイドからΨのパリク格子…

スッキリしない!

だいぶ分かってきた気がするのだけど、なんかパシッと分かった気がしない。フラストレーションがたまる状態に置かれている。スッキリしない、イライラする。キーワードは 二重圏、三重圏 コボルディズム、TQFT 豊饒プロ関手、圏的双加群 仮想二重圏=fc複圏 …

形式言語とテンプレートのオペラッド

オペレーション=オペラッド射=複射 をテンプレートと考えて、文法規則をテンプレートにより扱う。 形式言語 テンプレート ガード文字記号 定数ワイヤーラベル 文字記号(終端) 定数(ソリッド)ボックスラベル 変数記号(非終端) 穴ボックスラベル 規則…

ブール加群、クリーネ加群

http://www.diku.dk/hjemmesider/ansatte/henglein/papers/leiss2006.pdf http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0021869381901794 http://people.maths.ox.ac.uk/~hap/tancl07/tancl07-struth.pdf 加群を考えないほうがおかしいよなー。

エルブランの定理とマイヒル/ネロードの定理

マイヒル/ネロードの定理はメイヤーオートマトンに対するものとする。 エルブランの定理 マイヒル/ネロードの定理 定数記号 コンストラクタ記号 関数記号 コマンド・メソッド記号 述語記号 クエリー・メソッド記号 基礎項 コマンド列=状態項≒プログラムコ…

ε遷移がロクデモナイ概念だった件

オートマトン理論に出てくるε遷移。あれは割とダメだった。形式言語理論の文脈では便利だし十分だが、プログラム意味論としてはダメダメ。次のような概念が混同されてゴッチャになった結果がε遷移。 ブランク記号=タイムフィラー、セリンガーの言う無音{記…

マイヒル/ネロードの定理

箇条書きでザッと。 マイヒル/ネロード(Myhill/Nerode)の定理は、Constructor-Command-Query分離した指標に対するモデルの構造定理である。 Xを状態空間、適当な圏のホムセットを考えて、コンストラクタ(の意味)は Hom(1, X)、コマンドの意味は Hom(X, …

項集合とコゥゼン代数とモナド

項集合代数(termset algebra)=コゥゼン代数 古い順: Σコゥゼン σ-順序代数 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 コゥゼン代数再び - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 コゥゼン代数もっと - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 項と項集合 - 檜山正幸のキマ…

準ツリーと有限豊富条件と項集合代数

サイクリックグラフだがほとんどツリーであるものを準ツリー(quasi-tree)と呼ぶことにした。準ツリーは非常に扱いやすい。それは、単純サイクル(僕は素サイクルと呼びたいのだが)が、逆行辺と1:1に対応するからだろう。サイクルがあっても、逆行辺(非順行…

モノイドとパラ圏

ゾゾウスキ導分とゾゾウスキ共役 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 : M+∨M- から“自由生成”した畳み込み積の半環 プレ圏、偏圏、パラ圏などと呼んでいたものがあるが、M+∨M-はその例。これに限らず、圏の「生成系と関係」としてパラ圏は頻出する。モノイドが素材…

文法とオートマトンの随伴性

http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama/20131014/1381732864 の最後の部分の話。aが文字列でLが言語だとして、Lの語全体にaを左に連接する作用を ^a と書き、aによるブルゾゾウスキイ導分(Brzozowski derivative)を a~ と書く。すると、ガロアコネクションがある…

profiled substitutions の圏

ウーン、ちゃんと書かないとやばいよなー、と思いつつ、極めてラフなメモ。近日中になんとかして、より詳しい記述をしたい。変数と項のペアを束縛と呼ぶことにする。x = t のようにイコールで書く。束縛の集合、ただし変数はすべて違うものを束縛セットと呼…

名前付けと名前参照によるサイクルとシェアリングの表現

「letマップ付きグラフ」で、letマップ付きグラフは、結局はサイクルとシェアリングを持つグラフの表現だ、と述べた。逆に、サイクル/シェアリングを持つグラフから出発して、letマップ付きグラフを作ってみる。これにより、ふだん我々が使っている名前機構…

形式言語も関手圏?

アレ、アレレ?形式言語理論の言語は、列とかツリーとかグラフとかの集合だけど、結局は関手圏なのではないか。GとHがグラフのとき、GからHへのグラフ準同型の集合は、準同型を関手とみなしてよいので、関手圏 [G, H] となる。形式言語理論のたいていの問題…

拡張されたマイヒル/ネロードの定理

スピヴァック理論とかの刺激で、マイヒル/ネロードの定理がけっこう分かってきた。指標を圏、むしろ圏の表示(presentation)だと考える。具体的には有向グラフとパス同値関係のセット。有向グラフのルートノード/リーフノードと同じ定義で、圏のルート対…

形式言語理論とは何であって、何がありがたいのか

ソフトウェア技術者の観点から言えば、「ソフトウェアのための集合論」だな。 数学の集合は茫漠としていて掴みどころがない。 全体集合U(universe)を決めて、その部分集合だけを考えるのが良い。 Uはデータの集合だが、アトムだけじゃなくて複合データも考…

基本的な概念

アルファベット 列 列言語 列正規表現 列オートマトン 釣り合い列(balanced sequence) ツリーアルファベット(分岐ノード記号とリーフノード記号) ツリーシリアライズ ツリーパターン ツリー正規言語 連接と包囲(enclosing) 明瞭性(Bruggemann-Klein &…

モグラ(MOGra)の基本

Catyのレイフィケーションを整備してメタプログラミング環境を作る。そもそも何をレイフィケーションするのか? -- メタレベルにある構造をキチンと定義する必要がある。最近、「メタレベルにある構造」をモグラ(MOGra)という名前で呼ぶことにした。Metaob…

名前の参照関係のグラフ構造:これは物凄く大事

こういう絵になる。NSは名前空間の略称。NSコンテナはいくつかの名前空間を保持する入れ物。NSソートは名前空間の種別。 NSコンテナにNSソート指定=名前空間=束縛セット=置換=コンテキスト 色々な用語が使われているが同じこと。束縛セット(単に束縛と…

続・オートマトンの森田の定理

「オートマトンの森田の定理」で、「いやー、むずかしい、難しい。」と書いているが、そのあと挫折してやめた。で、最近また再挑戦。「いやー、むずかしい、難しい。」少しだけ進展してるんだけどね。

項と項集合、もっと

項空間に代数構造が入るは入るので、これを項代数と呼んでおく。項代数の演算は、項構成子(コンストラクタ)となる。項空間は余代数構造も持っていて(たいていそういうもんだ)、項の分解とか項の特性とかが余代数構造を定義する。項集合空間はもっと代数…

コゥゼン流

デクスター・コゥゼン(Dexter Kozen)は、なんか独特の(あるいはクセのある)手法を使う。それで論文が読みにくい感じもするのだが、問題意識は今の僕にとってはピッタリだ。set constraintsとかtermset algebraとか再帰的な型を含むsubtypingとか。コゥゼ…

term, termset, termset term

termグラフの圏ありき。 termツリーはtermグラフの特別なもの。 termツリーはテキスト表現を持つ。 「term=termツリー」か「term=termグラフ」かは文脈次第 termsetはtermの集合、ただしtermの普遍集合があり、その部分集合 term空間 = termset termset空間 …

項と項集合

項と項集合はもちろん違うのだが、コゥゼン(Kozen)の項オートマトンと項集合オートマトンとなると、区別がちょっとわかりにくくなる。項集合の全体はコゥゼン代数(termset algebla)となるが、項の全体はそれほどハッキリした代数構造は持たない。まー、…

多相化ラムダ

http://ttic.uchicago.edu/~pl/classes/CMSC336-Winter08/lectures/lec10.pdf に、次の推論規則が載っていた。 「Xは型です」を X type と書くことにして、 Δ, α type |- τ type ---------------------- Δ |- ∀α.τ Δ, α type; Γ |- e : τ ------------------…

Catyの型解析

最近考えている手順: スクリプトから有向グラフを作る。あるいは最初から有向グラフが与えられる。 すべてのワイヤー(有向辺=パイプ)に型注釈を付ける。このとき型付け規則(typing rules)を使う。 限量子で束縛されていた型変数を名前を変えて自由変数…

なーんだ!

非対称グラフ単一化って、オートマトンの模倣構成問題だったのだ。メモリを気にしなければ、ノード間の対応(模倣辺)を全部覚えておいて、ダイクストラ法を使えばいい。メモリを使わないように、覚えておかなくていい(後で使わない)記録を削除しようとす…