このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

文法とオートマトンの随伴性

http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama/20131014/1381732864 の最後の部分の話。

aが文字列でLが言語だとして、Lの語全体にaを左に連接する作用を ^a と書き、aによるブルゾゾウスキイ導分(Brzozowski derivative)を a~ と書く。すると、ガロアコネクションがある。

  • ^a(L) ⊆ K ⇔ L⊆ a~(K)

これが出発点なのだと思う。

^aやa~が棲んでいるのは言語代数のなかではない。言語代数に働く作用素の空間に^aやa~がいる。よって、^aやa~から結合や和で生成された作用素たちは、言語代数とは別な代数(半多元環)を作るだろう。

行列を作るとき、その成分は言語代数の元ではない。そうではなくて、言語代数に働く作用素が行列成分になる。言語代数(半環)上に作用する作用素の代数が注目すべき代数であり、言語代数は、その作用素を表現するときのオペランドを与えるに過ぎないのではないか。

言語代数は、a|→^a または、a|→a~ で作用素代数に埋め込める。この埋め込み方が随伴的なような気がする。^a と a~ の形から生成した部分代数を考えると、^aとa~を入れ替える対合が意味を持つ。これは一種の共役だろう。この共役と行列の転置を組み合わせて、行列の随伴が定義できないか? このようは共役随伴を持つ代数上でトレースはどうなるのだろうか?

データ構造コンストラクタとデストラクタの双対性とも関係するかも。となると、可達性、可識性の双対とも関係する?