このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

メッシュ幾何/メッシュ・トポロジー

メリット: セル形状が自由 直積の構成が極めて簡単 細分の定義が極めて簡単 台空間が多様体である必要はない(例:アフィン幾何グラフ) 近似の精度を評価できる。 目標は: 圏論的に扱いやすい〈categorically tractable〉 カスタマイズが容易〈easily cus…

アフィン線形写像の圏とローヴェア/ユークリッド圏

n, m∈N に対して、 AL(n, m) := Mat(n, m)×Rm と定義する。ここで、 Mat(n, m)は、m行n列の行列の全体 Mat(n, m) Rm×n (a, b)∈AL(n, m), (a', b')∈AL(m, k) として、 (a, b);(a', b') := (a'a, a'b + b') と定義する。これは次の式の代入計算。 y = ax + b z…

型付きラムダ記法と、関連する問題

某N君に出した問題を掲載する。「関数」と「写像」は(ここでは)完全に同義語、特に区別はしない。 ラムダ記法 写像 f:X→Y を、 λx∈X.( … :Y) の形に書く。「…」の部分に、写像の働きを表す式が入る。集合の直積〈direct product〉は、普通の掛け算記号'×'…

不定な対話状況への不安

定義することが信用できない、あるいは定義により何かが確定するとは思えない、のは、対話状況への不安とでもいうべき心理があるのではないか。例えば、「偶数とは2で割り切れる数」と言ったときの「数」が、「3だって2で割って1.5だよ」と言われるんじゃな…

「批判」と「定義」

一年ほど前に今井絵理子氏の「批判なき政治」って発言があったけど、このときの「批判」は、どうも悪口/クレーム/誹謗中傷/野次/冒涜 といった意味だったようだ。悪意をもって人を貶めるような言動が「批判」てことだったのだろう。となると、本来の「批…

「定義」の定義

次のような可能性がある。 定義するとは、それぞれの人が意見や主張を持つ事柄に関して、自分の意見や主張を述べること。 例えば、 民主主義とは、… 人生の意義とは、… 優秀な技術者とは、… 良い母親とは、… 宇宙生命体とは、… 定義するとは、未知またはあま…

続・偶数の“定義”に関して

次が同じことを理解してもらう。 円周率とは、直径を基準としての、円周との長さの比である。 直径を基準としての、円周との長さの比を、円周率と呼ぶ。 次も同じ。 偶数とは、2で割り切れる整数である。 2で割り切れる整数を、偶数と呼ぶ。 名前を付ける。 …

偶数の“定義”に関して

「2で割り切れるからといって、それだけで偶数とは言えない」の背景を考えてみる。 定義の例: 優秀な技術者とは、早稲田大学理工学部を卒業した技術者である。 (何人かの人がいる特定の場所で)このなかには、5人の優秀な技術者がいる。 1番が定義だとすれ…

スクリプト体と例題

TeXでスクリプト体は、\mathcal{A}, \mathscr{A} のようにして出せる。calはカリグラフィーでscrがスクリプト体だろうが、普通の感覚では、 calがスクリプト体 scrは花文字 逆だがね。花文字を使って、Xのベキ集合をと書くことにする。集合族(部分集合の集…

難しいハナシだ

「m ≠ 1m」と「2で割り切れる整数が偶数とは限らない」は、難しい。昔、T君が量(個数や重さ)の保存の概念がなくてビックリしたが、それとはまた全然別。理解してない/できない、という話ではない。なんつーか、もっと高級というか、レベルが高いとも言え…

コダワリとアブダクション

コダワリの例 平方根をとって x2 = 4, x≧0 のような状況で、「両辺の平方根をとって」に対して、 平方根を付けているのであって、取って(削除して)はいない。 ごもっとも。 座標変換 以下の説明用の図に対して、次のような想定。おそらくだが: 平面を意図…

ヒルベルトの言葉

https://en.wikipedia.org/wiki/David_Hilbert : Axioms are not taken as self-evident truths. Geometry may treat things, about which we have powerful intuitions, but it is not necessary to assign any explicit meaning to the undefined concepts…

可測空間の分離性と可算性

THE FACTORIZATION OF THE GIRY MONAD KIRK STURTZ https://arxiv.org/pdf/1707.00488.pdf に、可測空間の分離性〈separability〉について書いてある。位相空間のT1分離性と似た話。分離性がないと、ジリィモナドの単位 ηX:X→G(X) が単射になってくれない。…

ジリィモナド

非常に広いジリィスタイル・モナドじゃなくて、ジリィモナド。次の6種がジリィモナド 一般 単位的 劣単位的 Meas MG<∞ MG1 MG≦1 Polish PG<∞ PG1 PG≦1 狭義ジリィモナドは、MG1とPG1の2つ。以下では、次の略記 G := MG<∞ G1 := MG1 用語は次のとおり: 拡散 …

統計的決定論

吉田朋広『数理統計学』は異例に厳密に書かれた良い本だが、それでも、関数結合と汎関数適用がゴッチャになっていたりする。統計的決定論を圏Stoch内で展開するために、少し記法を変える。'→'はStochの射、'→!'はクリスプ(フリスクじゃない)射。 吉田本 こ…

説明、被説明=目的

なんだかもう、呆れるを通り越して凄い気がする。 説明変数=独立変数≒原因 目的変数=被説明変数=従属変数≒結果 関数を因果関係と捉えたいとき(実際はどうであれ)に、こういう言葉を使うのだろう。しかし、独立変数/従属変数を今も使うのかぁ。

決定、推定、学習、最適化、ゲーム

まず、普通の統計用語に関して、 inferenceとesitimateがどちらも推定。inferenceを推計として区別することもあるが、「推計」自体が変な言葉。 estimateとestimatorが一応は区別される。が、一般に統計値と統計量〈statistic〉を区別するわけではない。統計…

フィールド調査 標本調査法

標本調査法の基礎理論 その1 http://www.computer-services.e.u-tokyo.ac.jp/p/itme/dp/dp60.pdf 有意抽出: 街頭で調査者が主観的にねらいをつけた何人かの人にアンケート調査をするなど ← 調査の精度を評価することができないと ← どのような根拠で標本が…

フィールド調査 統計的仮説検定

仮説検定の例題 http://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~yasuda/statB/toukei10.pdf 出てくる言葉・言い方 正規母集団 N(μ, σ2) において (実際は、パラメータ表示された正規分布のことだ) 分散 σ2 = 152 = 225 は既知 (非常にフィクショナルだが、まー、そい…

紛らわしい言葉

bind → bound ;縛る、綴る、束縛 bound → bounded ;境界付ける、限定する "unbounded bound variable" 非限定束縛変数なんて言葉が出てくる。 consequent は後件で、含意の後半部。 consequence は結果、帰着で、論理用語としては帰結 conを取ると、sequen…

含意命題と状況設定

数学の命題記述で、全称限量が省略される。ちゃんと書くと: ∀a, b∈R.( (a + b)2 = a2 + 2ab + b2 ) ∀x∈R.( x2 ≧ 0 ) ∀x∈Z.( x ≧ 0 ∨ -x ≧ 0 ) この限量子省略が曖昧性に繋がり、コミュニケーションに失敗することがある。変数の変域が明示されてないと解釈…

大小関係、最小限と足し算との協調性

最小元 ∃a.∀x.a≦x 準備 Γ |-? ∃a.∀x.∃z.(a + z = x) 証明 証明要求: Γ |-? ∃a.∀x.a≦x BEGIN ∀-BOX var u 0 + u = u --[●∃導入 t:←左辺のu] ∃t.0 + t = u 0 ≦ u --[●∀導入 x:←u] ∀x.(0 ≦ x) END ∀x.(0 ≦ x) --[●∃導入 a:←0] ∃a.∀x.(a ≦ x) 最大元 ない。 足…

約数倍数

困った事と対策: aはbの約数である(bはaの倍数である)ことを表す(広く合意された)記号がない。 縦棒 | を使うことがあるが、使い勝手が悪い! Unicode一覧を見ると、⊑(U+2291) と ⊒(U+2292) がある。 これを使おう。 定義: aはbの約数である ⇔ a⊑b…

引き算の定義

参考: 引き算と無限個の足し算は両立しない - 檜山正幸のキマイラ飼育記 モノイドや半環は、群や環とはかけ離れている - 檜山正幸のキマイラ飼育記 定義 集合Lの定義 L := {(x, y)∈N2 | x≦y } (x, y)∈L ⇔ ∃z.(x + z = y) 関数subtの定義 function subt := λ…

自然数の順序

x ≦ x 準備 Γ |-? ∀x∈N.(x ≦ x) ---------------------------------- Γ |-? ∀x∈N.∃z∈N.( x + z = x) ---------------------------------- Γ, x∈N |-? ∃z∈N.( x + z = x)証明 証明要求: Γ, x∈N |-? ∃z∈N.(x + z = x) x + 0 = x ---(1) -----------------[●∃…

確率測度の空間の上の距離

ポンペイウ/ハウスドルフ距離は別物だが、ついでに入れておく。 PH: ポンペイウ/ハウスドルフ距離〈Pompeiu–Hausdorff distance〉 H: ハッチンソン距離〈Hutchinson metric〉 → https://en.wikipedia.org/wiki/Hutchinson_metric W: ワッサースタイン距離…

誤解されること

集合や空間を、それ自身で考えるのか、外の集合や空間に埋め込んで考えるのか。Z⊆R か、Z∩R = 空 なのか? 円周は空間でも考えられるのではないか? など。 絵・図が、象徴的・比喩的・説明的なものか、それともそれ自身を図形として考察の対象にするのか。 …

Prof. Boris Tsirelson の「確率変数」

良心的な人だ。http://www.tau.ac.il/~tsirel/Courses/MeasContin/lect2.pdf より引用: A remark on terminology. Some authors call a measurable map φ from a probability space to a measurable space (Y, B) “random element of Y ” with special case…

三項スカラー積と双対性

X, Yは位相可測空間で、φ:X→Y は連続写像、μがX上の測度、fはX上の関数、gはY上の関数とする。 二項スカラー積 <f|μ>X は、測度μによる関数fのX上の積分 二項スカラー積 <A|f|μ>X は、測度μによる関数fのA上の積分(A⊆X) まず二項の場合の双対性は: <φ*(g)|μ>X = <g|φ*(μ)>Y 積</g|φ*(μ)></a|f|μ></f|μ>…

ポーランド空間の意義

どうもポーランド空間すごい、感じがしてきた。標準ボレル空間とは、可測空間のことで、ポーランド空間のボレル集合と可測空間として同型になるものをいう。おそらく、可測空間がボレル空間だとは、位相から作ったボレル族と可測空間として同型な可測空間の…