統計的決定論
吉田朋広『数理統計学』は異例に厳密に書かれた良い本だが、それでも、関数結合と汎関数適用がゴッチャになっていたりする。
統計的決定論を圏Stoch内で展開するために、少し記法を変える。'→'はStochの射、'→!'はクリスプ(フリスクじゃない)射。
吉田本 | ここ |
---|---|
X | X |
Θ | Θ |
D | A |
P | P:Θ→X |
W | L:Θ×A→!R≧0 |
δ | φ:X→A |
Δ | Φ⊆Stoch(X, A) |
R(θ, δ) | R(θ)[φ]:Θ×Φ→!R≧0 |
危険関数Rは、実は危険汎関数なのでブラケット引数を使う。
- R(θ)[φ] := ∫X(∫AL(θ, a)φ(x, da))P(θ, dx) = ∫X×ΘL(θ, a)φ(x, da)P(θ, dx)
パラメータの特定値θにおいて、決定関数(決定関係)の損失評価が危険度R(θ)[φ]。
危険度により順序付けたプレ順序関係が、,
- φ φ' :⇔ ∀θ∈Θ.(R(θ)[φ] ≦ R(θ)[φ'] )
- φ φ' :⇔ ∀θ∈Θ.(R(θ)[φ] ≦ R(θ)[φ'] )∧∃α∈θ.(R(α)[φ] < R(α)[φ']
そして、
- φはφ'と比べて同程度に良い :⇔ φ φ'
- φはφ'と比べて一様に良い :⇔ φ φ'
は順序関係ではないので、が、と≠で決まったりはしない。
φがΦのなかで許容できるとは、
- ¬∃ψ∈Φ.(ψ φ)
あるいは、
- ∀ψ∈Φ.(¬(ψ φ))
¬(ψ φ) から、φ ψ が言えるわけではない。良し悪しはパラメータに依存する。パラメータに依存しないで言えることが , 。