このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

数珠暖簾の圏

HTensの多重インデックスについて少し考えてたら、なぜか数珠暖簾<じゅずのれん>の圏が出てくる。なんか不思議だ。数珠暖簾の圏の上の二重圏として形式テンソルが現れるのか?数珠暖簾圏をちゃんと考えてみるか。

注目すべき等式やら命題やら

もう少しチャントまとまったら書こうと思っていたが、とりあえず叩き台。●不動点等式/不等式/帰納法 a・a* + 1 = a* [不動点等式; the fixed point equation] a・a* + 1 ≦ a* [不動点不等式; the fixed point enequation] a・x + b ≦ x ⇒ a*・b≦x [不動点…

二重トレース付き半環圏HTens

順序半環Kをベースにする(Kを圏に一般化できるだろうが);二値ブール代数B、クリーネ代数Pow({a, b}*)、自然数の半環N、max-plus代数など。Kにはダガーもあって、ダガー半環だとしよう。どんな半環でも自明なダガー構造が入るから、この仮定は特に問題には…

モノイド二重圏

コゥゼン圏の定義に加法的ベキ等性を入れると、ホムセットが順序集合になり、局所順序圏になる。となると、コゥゼン圏は2-圏になる。垂直クラスHを導入すると、二重圏にすることもできる。もちろん、最初からモノイド積(双デカルト積)は入っている。とまー…

ジラール(Girard)のthe big picture

Esfandiar Haghverdiのプレゼンより:ジラールのGoIは次のようなアナロジーに基づくようだ。 証明的 ジラール曰く 手続き的 関数的 証明 アルゴリズム(algorithm) プログラム 式 cut消去 計算(computation) 実行 評価/簡約 cutなし証明 データ(datum) 結果 …

帰納原理と一様性原理

昨日のエントリー「二重圏と一様性、2-セルによる定式化」の話だが、背景圏Cが局所順序付き圏(Ord豊饒化された圏)であるとする。すると、f;(b+u) ≦ (a+u);g in C(A+X, B'+Y)が意味を持つ。C(A+X, B'+Y) は、状態空間のあいだを飛ぶ転移(遷移とは区別しよ…

パリク圏とパリク関手

パリク・ベクトルを一般化して、正規集合に関するパリクの定理(本来は文脈自由文法に関する定理)を示したいものだ。まず、Pow(Nn)に、足し算∪と掛け算+で半環構造(cup-plus代数とでも呼ぶべきか)を入れる。クリーネ級数は収束するから、クリーネ連続半環…

マンダラ仮説と二重トレース付き半環二重圏

マンダラ仮説は僕の作業仮説。だいたいはこういうこと; 計算科学に出てくる構造は、いたるところに無闇とたくさんの高次圏が含まれるであろう。マンダラ仮説を前提とするなら(僕は当然に前提としている)、高次圏は必須。だが、高次圏は全然マジメにやって…

二重圏と一様性、2-セルによる定式化

関連するエントリーは次: (仮称)一様性二重圏 セリンガーのND補題 一様性を持つ部分トレース付き圏の周辺 一様性を持つ部分トレース付き圏(partially traced category with uniformity) 一様性原理 次の言葉を使う。 一様射(uniform morphism)セリンガ…

ポンプの補題の変種

ホッピングボール・マシンが有限型(有限状態マシンと観測的に同値)なら、それから生成されるPN値(Pow(N)の値)は、有限か、さもなくば等差数列を含む。これから、素数の全体や{n2 | n = 1, 2, ...}, {2n | n = 1, 2, ...}などは生成できない、とわかる。

コォゼン圏、クリーネ圏、二重圏

「(仮称)一様性二重圏」に書いてある内容がけっこう本質的な気がする。コォゼン圏もクリーネ圏も、ほんとは二重圏で定式化すべきで、 潰れた(退化した)二重圏として圏(1-圏)が登場するのではないだろうか? 潰れてない状態で扱った方が自然な気がする。

引き算は難しい

次男にイデアルを生成させようとしたが無理だった。具体的には、二数(例えば3と5、次男は8と10を選んだが)から、足し算と引き算でいろいろな数を作る。引き算が入るとダメみたい。足し算からの生成ならなんとか理解するようだ。足し算だけからの生成は半イ…

半加法性のいろいろ

まずはAb圏の定義から: hom-setがアーベル群 射の結合は双線形 零対象を持つことは仮定しない(零射は存在する)。 次に加法圏: Ab圏である。 零対象を持つ。 双積を持つ。 Ab圏をプレ加法圏(preadditive category)とも呼ぶ。対応する「半」概念。 加法…

これは面白い!

http://www.cs.mcgill.ca/~prakash/Talks/mfps07.pdf ダウンロードした。対応する論文は http://arxiv.org/abs/math/9805102 あたりかな。発表者はパナンガデン(Panangaden, http://www.cs.mcgill.ca/~prakash/)。

クリーネに統一

「クリーニ」という読みは「クリーネ」に直した。クリーネも残っているが、検索は「クリーネ」だけでOK. http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/searchdiary?word=%a5%af%a5%ea%a1%bc%a5%cd Kleene, Conway, Kozenなどを完全にカタカナ化はまだできてない。

クリーネっぽい圏や代数系のあいだの関係

いまだに僕は、クリーネ圏、コォゼン圏、クリーネ代数(クリーネ/コォゼン半環と呼ぶのがふさわしいと思う)の関係がよくわかってない。次のことはわかる。 コォゼン圏はクリーネ圏である。 クリーネ圏のend-setはクリーネ代数である。したがって、コォゼン…

正規射の概念

クリーネ圏やコォゼン圏に関しては、正規表現と正規射(regular morphism)という概念を相対的にに定義できる。一番分かりやすいのはコォゼン圏だから、Cはコォゼン圏だとしよう。A⊆Cを任意の部分グラフとする。正確には、Cをプレ圏とみなして、部分プレ圏が…

グラフと行列の対応関係

境界付き0-1ラベル付きグラフの圏 行列の圏 境界なし 0×0行列 入り口1つ 縦ベクトル 出口1つ 横ベクトル 出口1つ入り口1つ 1×1行列≒スカラー 直和 対角和 結合 積 フィードバック 加法的トレース 模倣可能性 順序 互いに模倣可能 等しい 完全フィードバック…

スター有理性

Tを項だとして、ρx.T を、方程式 T = 0 を満たす解の1つだとする。 代数的有理性 スター有理性 1次方程式 ax + b = 0 一次不動点方程式 ax + b = x ax - 1 = 0 の解 ax + 1 = x の解 a-1 a* b/a = ba-1 ba*, a*b ρx.(ax - b) μx.(ax + b) 再帰代数、あるいは…

半線形代数

主にNを係数半環とする半線形代数を考えておくといいと思った。基本概念は: 係数半環/半体 半加群/半ベクトル空間 部分半加群 半線形独立 半イデアル 半アフィン空間/半アフィン集合 半アフィン不動点方程式 半体の例はあまり多くない(Z+{∞}に、min-plu…

Path Rewriting SystemとPR-Precategories

パス書き換え系(Path Rewriting System; PRS)は項書き換え系(TRS)の一般化。次のものから構成される。 0セルの集合V 1セルの集合E、VとEでグラフになる。 書き換えと呼ばれる2セルの集合 書き換えの結合(合成)と代数的な法則 f, g, hなどが1セルだとと…

トリビアルが役に立つ話 -- トレースがそのままスターになる

[追記]このエントリー、かなり間違いが含まれる。が面白いところもある。明かな間違いは消し線付ける。[/追記]Cは単一対象の圏だとする。つまり、|C| = {*}で、Cは結合;に関してモノイド。Cの対象には *×* = * というトリビアルな積を入れて、Cはモノイド圏…

コリーナ・シルステア(Corina Cirstea)

URL: http://www.ecs.soton.ac.uk/people/cc2Cirsteaはルーマニアの姓らしく、シルステアと読むようだ。

N上の周期関数と周期集合

f:N→X(Xは何でもいい)が周期的だとは、f(n + p) = f(n) となるpがあること。集合A⊆Nの特性関数が周期的ならAは周期的集合。Xが半環のとき、f + g, f*g(畳み込み)の周期はどうなる? (αkf)(n) = f(n - k) if definable else 0 (δkf)(n) = f(n + k) このα…

自由コゥゼン圏(Kozen圏)

コゥゼン圏は、トレースを持つベキ等・双デカルト圏のこと(だとしたが、ベキ等を落としてもいい気もするが)。圏的指標Σがあるとき、Σから自由コゥゼン圏FK(Σ)を作れる。FK(Σ)は、Σの正規表現全体の代数に対応し、FK(Σ)の射は正規表現。圏的指標Σはグラフと…

behavioral/behaviorallyとobservational/observationally

どうも確実な区別の根拠が見あたらないなー。behavioral equivalence と observationally indistinguishable って結局は同じことで、その使い分けも恣意的なんじゃないのかな?「はじめての圏論 その第5歩:変換キューの圏」では、次のような使い分けを意識…

TTL付きのボールと言語の受理問題

言語の受理(認識)問題に対応する問題は、time to live付きのボールを落として、どこからでもいいから出てくるかどうかを見るだけでよい。出てこない場合は、絶対に出てこない運命かたまたま出てこなかっただけかのケースがある。「たまたま出てこなかった…

振る舞い同値

ホッピングボール・マシンFに対して、その振る舞い行列をBeh(F)として、F≡G :⇔ Beh(A) = Beh(G) と定義して、F≡G とは何であるか?を分析したい。ところがまた、用語の問題がある。F≡G を振る舞い同値(behavioural equivalence)と呼びたいが、通常の振る舞…

半環Pow(N)と同型な半環Bと、とあるアナロジー

いずれにしてもPow(N)に∪と・を入れた半環を使うのだけど、{x∈R | 0≦ x <2} に、足し算/掛け算を入れた代数を使っても同じ。こっちのほうが親しみがわくかもしれない。固有名詞をBにしておこう。文字Bに特に意味はない。通常の数と、Pow(N)やBのあいだには…

半環Pow(N)の計算

本編のほうでホッピングボール・マシンの話を書き出した。これは、境界付き遷移系でラベル(アクション名)集合が単元に退化した例。加法モノイドNを圏と見なしての境界付きカテグラフだとも言える。全体として、モノイド構造を持った初歩的圏になるように細…