非対称モノイド圏のモノイド対象のコホモロジー
"Cohomology of Monoids in Monoidal Categories" という論文を見つけた。1997年なのでそれほど新しいわけではない。著者の一人は、Mamuka Jibladzeだが、http://ncatlab.org/nlab/show/Mamuka+Jibladze によるとグルジア共和国の人らしい。目を引く論文は:
- Cohomology of Algebraic Theories (1991) [13 citations - 8 self]
http://citeseer.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.22.9028 - Cohomology of Monoids in Monoidal Categories (1997) [2 citations - 1 self]
http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.25.3891 - Scattered Toposes [1 citations - 0 self]
http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.25.2579
citationsが少ない。あまり知られてない。あまり注目も評価もされてない。
だが僕にとっては、"Cohomology of Monoids in Monoidal Categories"は驚くべき事実が色々と書かれていて、面白いしとても役に立つ。
まず、僕のほうの状況として次があった。
- 森田理論では、双加群とか森田コンテキストが重要らしい。
- 双圏と双圏版の米田補題が気になる。
- オートマトン圏で双加群を考えたら予想とは違って、IOは説明できない(ガックリ)。
- だが、オートマトン圏での双加群は2次元オートマトンにはなるらしい。
- オートマトンの(コ)ホモロジーが取れないか?
- 前例を見てもぱっとしない。アーベル圏にならないのがマズイのでは?
- 非アーベル圏でのコホモロジーとしては、擬アーベル圏や半アーベル圏がある。
- 擬アーベル圏や半アーベル圏でもなんかうまくいかない(ガックリ)。
- それはそうと、オペラッドも面白そうだな。
と、こんなことを考えていた。
"Cohomology of Monoids in Monoidal Categories"では、かなり一般的なコホモロジーを具体的に構成する方法が書いてある。アーベル圏を使うし、原形は1969年のバー/ベック(Barr-Beck)のコトリプルコホモロジーというやり方。その意味ではあまり新しいことはないとも言えるが、オペラッドや小圏のコホモロジーなども統一的に説明できることと、係数圏という概念が素晴らしい。
目的の対象達の圏がアーベルでなくても、係数圏を使ってアーベル圏を作り、そのアーベル圏内で具体的にコホモロジーを作る方針。一般的な枠組みは対称とは限らない圏Cの内部モノイドの圏 Mon(C) を考えて、Mon(C) の対象Gごとに、Coef(C, G) という圏を考えて、係数圏の対称Aと取ってきて、組 (G, A) ごとに(余)鎖複体を作る。(余)鎖複体から先の扱いは古典的/計算的である。
例によって、僕の予備知識が足りない。次を理解する必要がある。
- 極限関係で、reflects, createsなど
- filtered (co)limit と finitary functor
- profunctor
- natural system (全然知らなかった)
- tow-sided bar construction
- cosimplicial abelian group
- torsor (胴体だけのトルソーは torso)