簡単で有用な半加法圏の実例(Rel, 0, +)
ウーン、なんで気付かなかったんだろう! アホッ>俺
いやっ、まー、知ってはいたのだけど、あんまり注目してなかった。
Setと同じ対象を持ち、射は関係である圏Rel。集合直和をモノイド積としてモノイド圏、空集合が単位で、ホムセット内に合併演算で和が入るので近半加法圏(nearly semiadditive)。近半可能圏に直和(余直積)があればそれは双積だから、半加法圏(semiadditive)。
特に単元集合だけで双デカルト的に生成される半加法圏は、ブール係数行列の圏。
さらに直積に関しては、ダガーを(関係または行列の)転置で定義すると、このダガーを双対スター作用素とみなして、コンパクト閉圏。Rel(A×B, C)=Rel(A, C×B*)(B* = B)。
ケリー双対η、εは次のように与えられる。
- η = {(*, (a, b))∈1×(A×A) | a = b} : 1→A×A
- ε = {((a, b), *)∈(A×A)×1 | a = b} : A×A→1
集合直和が双積、集合直積がテンソル積として、双積を持つダガー・コンパクト閉圏になる。さらに、半環圏(semiringal category / semiring category)。コンパクト閉性からの標準トレース以外に、双積に関するトレースも持つので、双トレース付き圏とでも呼ぶべき構造も持っている。
有限次元複素ヒルベルト空間FdHilbとものすごく似ている。半環構造を利用して多項式関手、Fock空間構成なんてのができると思う。
双積(直和)に関してInt構成ができるが、できあがる双コンパクト閉圏は何なのだろう。環圏(ringal/ring category)になると思うが。