抽象証明系
証明可能性関係 |- を外から見て公理化したい。とりあえず:
- f∈A ならば、 A|-f
- 任意のg∈Bが A|-g であり、B|-hならば、A|-h
この2つは必要だろう。A、Bともに論理式(その全体はL)の集合のとき、A|-Bを、「任意のg∈Bに対してA|-g」として、|-の定義を拡張しておく。
- A|-A
- A|-B, B|-C ならば、A|-C
はいえる。最初の定義の言い換えに過ぎない。関係|-はプレ順序になる。これから同値関係を定義して、順序にできる。
集合Aに対して、A~ = {f∈L | A|- f}として演算子~を定義する。
- A⊆B ならば、A~⊆B~ (単調性)
- A⊆A~ (増大性;isotonic)
- A~~ = A~ (ベキ等性)
最初は、次のほぼ自明な補題と同じ。
- A⊆B、A|-f ならば、B|-f
A⊆Bと「f∈AならばA|-f」から、B|-Aが出る。B|-A, A|-fからB|-f。
2番目は、「f∈AならばA|-f」の言い換え。
3番目; A⊆A~と単調性からA~⊆A~~は言えるから、A~~⊆A~が問題。つまり、「A~|- fならばA|-f」のことだが、A|-A~ は定義から出るから、A~|-fと組み合わせて、A|-f。
これら3つの性質を持つ演算子はMoore閉包というそうだ。
一般化して、論理式(と呼ばれる何か)の集合LとPow(L)上のMoore閉包の組を証明系として定義してよいだろう。