論理式、演繹系、セオリー
集合Lは、含意(⊃)と連言(∧)を持つ系の論理式全体の集合とする。K⊆Lが次の性質を持つとする。ここで、a, b, cなどは論理式、∧は⊃よりは優先度が強い演算子とする。
- a∈Lに対して、a⊃a ∈K
- a⊃b, b⊃c ∈K ならば a⊃c ∈K
- a⊃b, a⊃c ∈K ならば a⊃b∧c ∈K
t∈Lをひとつ固定して、記法 a1, ..., an|-b を次のように定義する。
- n = 0 のとき: |-b ⇔ t⊃b ∈K
- n = 1 のとき:a|-b ⇔ a⊃b ∈K
- n = 2 のとき:a1, a2|-b ⇔ a1∧a2⊃b ∈ K
- nがそれ以上:a1, ..., an|-b ⇔ a1∧...∧an⊃b ∈ K
それとは別に、集合T⊆Lを次のように定義する。
- a ∈T ⇔ t⊃a ∈K
Kがハッキリしているなら、Tもハッキリした存在だ。
Kに関する条件は、下界を持つ順序集合(実はプレ順序に過ぎない)の公理をゆるく(ぬるく)したものだ。b∧cの最大性は全然保証されない、存在だけは保証される状況。それでも、次は成立する。
- t ∈T
- a1, ..., an∈T、a1, ..., an|-b ならば、b ∈T
証明は定義の言い換えだから省略。
言いたいことは、次のような構造がほぼ同じだってこと。
- ⊃と∧を持つ論理式において、ある性質を持つ部分集合K。
- 演繹系
- 演繹に対して閉じた集合であるセオリーT