このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

多様体が定義できる圏

  • 参考:「包含付き圏:対象を集合っぽく扱うために」http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama/20101102/1288670139
  • category with inclusionsにさらに条件を足す。
  • そのinclusionをopen inclusionと呼ぶ。
  • 他に、a family of models を指定する。
  • category with open-inclusions with models = CwOIwM が多様体が定義できる圏。

位相構造と局所性

「局所ナントカ」「局所的にドウコウ」を有意化する。

開包含射の条件:

  1. 開包含射の部分圏は包含射の部分圏の条件を満たす。
  2. 任意の f:A→B と Bへの開包含射iに対して、iのfによる引き戻しが存在し、その引き戻しも開包含射である。
  3. OInj/X がインデックス圏の構造を持ち。任意の離散図式に対して、極限を持つ。
  4. 「三のニ」法則が成立する。

開包含族を使って、局所射と局所結合の概念を定義できる。Cの局所圏 LocalC を定義できる。

  1. LocalCの対象はCの対象と同じ。
  2. LocalCの射は、左足が包含であるようなスパン
  3. 結合は、スパンの結合で定義する。

局所射のホムセットは順序構造を持つので、LocalCは順序豊饒圏となる。順序豊饒圏では、次の概念が定義できる。

  1. PartId(A) 部分恒等射 partial identity
  2. PartIso(A, B) 部分同型射 partial isomorphism
  3. PartAut(A) 部分自己同型射(自己部分同型射) partial automorphism

これらをLocalCに適用すると:

  1. LocalId(A) 局所恒等射 local identity
  2. LocalIso(A, B) 局所同型射 local isomorphism
  3. LocalAut(A) 局所自己同型射 local automorphism

記号を次のように定義:

  • LocalC(A, B) := LocalC(A, B)
  • LocalIdC(A) := PartIdLocalC(A)
  • LocalIsoC(A, B) := PartIsoLocalC(A, B)
  • LocalAutC(A) := PartAutLocalC(A)

局所射の順序構造や局所逆の概念は本質的に使っている。

モデルと座標系

Cが圏で、

  • M⊆|C|

(C, M) をモデル族を持つ圏、モデル付き圏(category with models)と呼ぶ。

モデル族が飽和しているとは、

  • A∈M, A\stackrel{\sim}{=}B ならば、B∈M

Mを含む飽和モデル族は一意に決まるので、それを飽和閉包と呼ぶ。

F:(C, M)→(D, N) がモデル付き圏のあいだの関手だとは:

  • Fは普通の関手。
  • A∈M ならば、F(A)はNの飽和閉包に入る。

モデル付き圏の圏を作り、モデル付き圏としての圏同値が定義できる。モデル付き同値な2つのモデル付き圏は区別しない。

スパン (M←U→E) がMのチャートだとは、

  1. 左足は開包含
  2. 右足は局所同型
  3. Eはモデル対象

Mを固定して、チャートの添字族 (M←Ui→Ei) がアトラスだとは:

  • Ui がMを被覆する。

アトラスの余域がすべて同じとき均質アトラスと呼ぶ。均質アトラスを持つ対象Mを多様体対象と呼ぶ。添字集合の基数に制限をつけることもある。通常は可算集合。アトラス(に含まれるチャート)の余域は単一なので、それをMのモデル対象と呼ぶ。多様体対象のモデル対象は同型を除いて一意に決まる。

モデル族の選び方

モデル族は、飽和閉包が同じなら同値である。が、実用上はその選び方は重要である。

  • 骨格的なモデル族は、多様体対象に対して厳密に一意のモデルが決まる。
  • 小さなモデル族は、モデル達を集合として列挙できる。
  • モデル族の基数が小さいほうが望ましい。

標準ユークリッド空間達をモデル族とすると、可算で骨格的なモデル族となる。

残り

  • Cのアトラスの圏Atl(C)と多様体の圏Man(C)の関係を考える。
  • Cの遷移ネット(transition net)を定義して、遷移ネットと多様体の関係を考える。
  • 遷移ネットの圏TNet(C)も考えて、C, Man(C), Atl(C), TNet(C) の相互関係を考える。