多様体が定義できる圏
- 参考:「包含付き圏:対象を集合っぽく扱うために」http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama/20101102/1288670139
- category with inclusionsにさらに条件を足す。
- そのinclusionをopen inclusionと呼ぶ。
- 他に、a family of models を指定する。
- category with open-inclusions with models = CwOIwM が多様体が定義できる圏。
位相構造と局所性
「局所ナントカ」「局所的にドウコウ」を有意化する。
開包含射の条件:
- 開包含射の部分圏は包含射の部分圏の条件を満たす。
- 任意の f:A→B と Bへの開包含射iに対して、iのfによる引き戻しが存在し、その引き戻しも開包含射である。
- OInj/X がインデックス圏の構造を持ち。任意の離散図式に対して、極限を持つ。
- 「三のニ」法則が成立する。
開包含族を使って、局所射と局所結合の概念を定義できる。Cの局所圏 LocalC を定義できる。
- LocalCの対象はCの対象と同じ。
- LocalCの射は、左足が包含であるようなスパン
- 結合は、スパンの結合で定義する。
局所射のホムセットは順序構造を持つので、LocalCは順序豊饒圏となる。順序豊饒圏では、次の概念が定義できる。
- PartId(A) 部分恒等射 partial identity
- PartIso(A, B) 部分同型射 partial isomorphism
- PartAut(A) 部分自己同型射(自己部分同型射) partial automorphism
これらをLocalCに適用すると:
- LocalId(A) 局所恒等射 local identity
- LocalIso(A, B) 局所同型射 local isomorphism
- LocalAut(A) 局所自己同型射 local automorphism
記号を次のように定義:
- LocalC(A, B) := LocalC(A, B)
- LocalIdC(A) := PartIdLocalC(A)
- LocalIsoC(A, B) := PartIsoLocalC(A, B)
- LocalAutC(A) := PartAutLocalC(A)
局所射の順序構造や局所逆の概念は本質的に使っている。
モデルと座標系
Cが圏で、
- M⊆|C|
(C, M) をモデル族を持つ圏、モデル付き圏(category with models)と呼ぶ。
モデル族が飽和しているとは、
- A∈M, AB ならば、B∈M
Mを含む飽和モデル族は一意に決まるので、それを飽和閉包と呼ぶ。
F:(C, M)→(D, N) がモデル付き圏のあいだの関手だとは:
- Fは普通の関手。
- A∈M ならば、F(A)はNの飽和閉包に入る。
モデル付き圏の圏を作り、モデル付き圏としての圏同値が定義できる。モデル付き同値な2つのモデル付き圏は区別しない。
スパン (M←U→E) がMのチャートだとは、
- 左足は開包含
- 右足は局所同型
- Eはモデル対象
Mを固定して、チャートの添字族 (M←Ui→Ei) がアトラスだとは:
- Ui がMを被覆する。
アトラスの余域がすべて同じとき均質アトラスと呼ぶ。均質アトラスを持つ対象Mを多様体対象と呼ぶ。添字集合の基数に制限をつけることもある。通常は可算集合。アトラス(に含まれるチャート)の余域は単一なので、それをMのモデル対象と呼ぶ。多様体対象のモデル対象は同型を除いて一意に決まる。