このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

プロップとTQFT:マクロTQFT

プロップ回りでは、ハックニー/ロバートソンの http://arxiv.org/abs/1207.2773 と、あとボブ・クック関連の http://www.cs.ox.ac.uk/people/bob.coecke/andrei.pdf もあった。この論説にタイトルがないが、学生の Andrei Akhvlediani(https://www.cs.ox.ac.uk/people/andrei.akhvlediani/)のものか? まだドラフト? よくわからんが立派な論説だ。

1つのTQFTは、コボルディズム圏Cと適当なベクトル空間の圏Vに対するモノイド関手 Z:CV だ。TQFTのミクロ理論(あるいは個別理論)は、特定のTQFTを調べるが、マンダラ理論としては不適切で、すべてのTQFTを一挙に考えるマクロ理論が必要だ。

コボルディズム圏の圏」(ドクトリン)Cと「表現圏の圏」(これもドクトリン)Cを考えて、C∈|C| と V∈|V| に対するヘテロセット Het(C, V) として「C上のV値TQFTの全体」を考える。さらに、CVをそれぞれのドクトリンのなかで動かすとプロ関手になる。

プロップの圏をPropとすると、ドクトリンCPropにマップする関手Jと、ドクトリンVPropにマップする関手Eがあれば、

  • Het(C, V) := [J(C), E(V] in Prop

のように、Propの内部ホムを利用して、Cop×VProp というプロ関手ができる。このプロ関手がマクロな意味でのTQFTと言っていいだろう。