有向グラフのラベリング、ガード付き文字列、境界付きアルファベット、
有向グラフのラベリングが関手だと書いたことがあるが:
- 関手の域は、グラフから作った自由圏(パスの圏)
- 関手の余域は、ラベルから作った圏
ラベルから作った圏Cとは、頂点ラベルがA、辺ラベルがBとして:
- |C| = A
- a, b∈A に対して、C(a, b) = B* (ホムセットはすべて同じ)
- 結合 C(a, b)×C(b, c) は B*×B* のモノイドの積
- aに対する恒等ida は、C(a, a) 内のモノイド単位元、つまり空列。
正確に言えば、C(a, b) = {a}×B*×{b} のようにして、ホムセット達をdisjointにしておく。すると、f∈C(a, b)は、aαb(α∈B*)とみなしてよい。aαb のような形、念の為に a{α}b か、これはガード付き文字列だから、ホムセットはガード付き文字列の集合。
以前から問題にしていた境界付きアルファベットとは、(Σ, Σ0, Σ1, Γ) の4つ組で:
- Σはガード記号=頂点ラベルの集合
- Σ0⊆Σ
- Σ1⊆Σ
- Γは辺ラベルの集合
この(Σ, Σ0, Σ1, Γ) から、上記と同様な手段で圏Cを作れ。Cの対象類にはΣ0、Σ1という境界が付いている。これで、圏Cは境界付きの圏となる。
Gが境界付きグラフ(単なるシェープ)のとき、Gから圏Cへの境界を保つ関手が定義できる。この関手がラベリング。このラベリングは、境界付きグラフGを台とするカテグラフ(圏を値とする準同型)となる。境界があることから、境界を考慮したグルーイングができる。つまり、シェープのグルーイングと協調したカテグラフのグルーイングが定義できる。
より一般に圏のコボルディズム圏(境界付き圏を射とする圏)に値を持つようなラベリングを考えることができるだろう。このラベリングがTQFT関手の対応物だろう。
次がほぼ同じもの:
- カテグラフ
- 境界付きラベリング
- TQFT関手
これらを繋ぐのは、やはり行列概念の一般化だろう。