古典的片側シーケントの体系
片側シーケントの古典論理が書いてある。ここだと、Gentzen-Shutte(ゲンツェン/シュッテ)になっている。ん? ゲンツェン/テイトじゃなかった?
田中さんの言うGentzen-Taitシステムと、A.S.T and H.SのGentzen-Shutteシステムはどうも同じものらしい。Gentzen-Shutte-Taitといえば不公平はないかな。念のため、定義を書いておく。まず田中本より。
- atomic formulaまたはその否定を基本とする。Prologだと、これをリテラルと呼んでいた気がするが、半分忘れた。それと、否定を原子記号に組み込んで極性(polarity)付き記号を使う流儀もあったな、バーワイズがやっていたような、、、参考:「多圏上のシーケント計算」
- 一般のformulaは、∧、∨、∀、∃を結合子、限量子として組み立てる。
- 論理結合子としての否定は考えない。
φ, ψなどは論理式(formula)、αはリテラルだとする。リテラルに限って、¬αが許され、¬¬α = α とみなす。これは双対スターオペレータと同じ。
Tを論理式の集合とする。つまりTはセオリー(の生成系)。公理となるシーケントは:
- φ∈T に対して、⇒φ は公理
- ⇒α,¬α は公理
構造規則は:
田中さんも A.S.T-H.S も換を入れる代わりにmultisetを使っているが。次に論理的規則:
換
⇒Γ
-------
⇒Γ' (Γ'はΓを適当に入れ替えたもの)
増
⇒Γ
-------
⇒Γ,Δ
⇒Γ,φ,ψ
------------- ∨導入
⇒Γ,φ∨ψ
⇒Γ,φ ⇒Γ,ψ
------------------ ∧導入
⇒Γ,φ∧ψ
⇒Γ,φ(t) (tは項)
---------------- ∃導入
⇒Γ,∃x.φ(x)
⇒Γ,φ(x) (xは変数で、Γに自由に出現しない)
------------- ∀導入
⇒Γ,∀x.φ
⇒Γ,¬α ⇒Γ,α
-------------------- cut
⇒Γ
A.S.T-H.Sでは、∨導入が左右2つある。
換と増があれば、1つで十分。
⇒Γ,φ
------------- ∨導入1
⇒Γ,φ∨ψ
⇒Γ,ψ
------------- ∨導入2
⇒Γ,φ∨ψ
それと、田中本では言及されてなかった減がある。multisetと考えればこれは不要。
⇒Γ,φ,φ
----------
⇒Γ,φ
cutは次の形。
この違いも本質的ではない。
⇒Γ,α ⇒Δ,¬α
-------------------- cut
⇒Γ,Δ