このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

単純型付きラムダ

ラムダ計算のセミナーをやるので、[セミナー]タグでネタを記録することにする。

青いProof Theoryの本とは、A. S. Troelstra, H. Schwichtenberg "Basic Proof Theory Second Edition"、著者の読み方(カタカナ表記)はトゥロエルストラ、シュウイッテンブルクかなー??? アブラムスキーやアクゼルもエディターになっているケンブリッヂのシリーズ物の一冊。このシリーズの執筆陣の豪華なこと豪華なこと… と、それはまーいいとして。

  • 3.6 (P.85)に片側シーケントの古典論理が書いてある。ここだと、Gentzen-Shutte(ゲンツェン/シュッテ)になっている。ん? ゲンツェン/テイトじゃなかった?
  • 8章(p.258)は categorical logic
  • 9章(p.283)は様相論理と線形論理

全体にモダンで洗練されている。証明論の本だから当たり前のことだが、モデル論がない。そこがなんかもの足りないね(←別な本読めよ>自分)。

この本から、simply typed lambdaの項の定義、いつでも肩に型(駄洒落じゃない)を付ける流儀:

  1. 型付き変数 xA, yBなど。
  2. tA→B, sAに対して、App(tA→B, sA)B
  3. tB, xAに対して、(λxA.tB)A→B

これから略記を導入する。非常にスッキリ。

同書p.38から、∧と⊃だけの推論:

  1. ∧の導入規則
  2. A∧B からのAだけ、Bだけを選ぶ消去規則
  3. A⊃Bを導入する含意導入規則、ただしAにはラベルを付ける
  4. モダスポネンス

この本には書いてないが、構造規則として、換(Exchange)と増(thinning, copy, dup)は入れていいだろう。推論規則のアリティを記しておくと:

  1. 換 2→2
  2. 増 1→2
  3. ∧導入 2→1
  4. 射影 1→1
  5. 含意導入 1→1 ただし、横から入るループが作られる。
  6. モダスポネンス 2→1