トランスデューサーと模倣/双模倣
「オートマトンの圏」は色々に定義できる。色々有り過ぎて困る。優劣を論じるより、使い分けるという話だ。
オートマトンを対象、トランスデューサーを射とみなすのは、模倣/双模倣の解釈に役立つ気がする。この解釈では、射が単なる状態空間の対応ではなくて、作用するモノイドを変換する。むしろ、モノイドの変換(モノイド・アダプター、入れ替え加群)が主役。
これにより、異なる状態空間と異なるアルファベットを持つオートマトン(むしろプレオートマトンだが)の対応付けることができる。
加群の圏の対応を引き起こすものとしては、双加群=バイオートマトンより入れ替え加群=トランスデューサーのほうが都合がいいのかも知れない。
模倣は入れ替え加群=トランスデューサーそのものだと思ってよいが、双模倣の定義が問題になる。非決定性の圏で考えて、転置を導入する。転置は対合(involution)になる。対合を持つ圏ならば、双模倣を次のように定義できるだろう。
- 模倣(トランスデューサー)の対合が模倣であるとき、双模倣と呼ぶ。