入れ替え加群、いけてる!
MとNがモノイドとして、XM→NX の形の作用(Mの右作用)を持つ入れ替え加群(モノイド・アダプター)を右入れ替え加群と呼ぶことにする。当然、左入れ替え加群も定義できる。入れ替え加群も右と左がある。
まず、通常の(片側)加群と入れ替え加群の関係。M-左加群の全体を LMod[M]、M-右加群の全体をRMod[M]、(N-反応, M-作用)-右入れ替え加群の全体を RSwap[N, M]、(N-作用, M-反応)-左入れ替え加群の全体を LSwap[N, M] とする。
外の圏のモノイド単位対象をIとして、左単位律同型射 λI:II→I をλと略記して Iλ := (I, λ, idI) を自明なモノイドとする。Iρも同じ。すべての対象はIλ-左加群だし、すべての対象はIρ-右加群となる。
任意のモノイド圏が「とあるモノイド上の加群の圏」とみなせることは重要。アブラムスキー・スカラー域End(I)は、自明なモノイド対象のI-点(Iからの射)によって集合として表現したもの。ケリー/ラブラザの可換性補題は、自明モノイドの可換性だが、対称性がないときの可換性とは何ぞ?
それはともかく(閑話休題)、以上の準備のもとで、
- LMod[M] LSwap[M, Iρ]
- RMod[M] RSwap[Iλ, M]
これは、外の圏のモノイド単位に関するマックレーン一貫性から出る。これは次のことを意味する。
- モナドのベックの分配法則
- モナドのテンソル強度(強モナド)
- モナドのアイレンベルグ/ムーア代数
- オートマトンに対するトランスデューサー(片側加群と入れ替え加群)
- モナドのあいだの、ある種の準同型
- 左加群と右加群の(作用の)入れ替え
- (半)線形加群の作用代数の取り替え
参考: