圏が作用する片側加群も考えることができる
ホムセット(ホモセット)ならぬヘテロセット H(X, A) |C|×|D|→Set を考えると、CのHへの左作用、DのHへの右作用を考えた双加群は、プロ関手 H:Cop×D→Set, H:C-/→D になる。特に、C = D のとき、自己プロ関手は、左C-右C-双加群となる。
以上はよく知られた事実だ。
圏の場合、双加群ありきなので、片側加群が考えにくいが、かならずしも左右が一致ししている必要はないので、片側を自明圏とすれば片側加群を考えることができる。つまり、H:C-/→1 または H:1-/→C を考えると、Hは片側加群と考えてよい。
- H:C-/→1 ⇔ H:Cop×1→Set
- H:1-/→C ⇔ H:1op×C→Set
となるので、C左加群HはC上の前層となり、C右加群HはC上の余前層となる。オートマトンとの類似を考えると:
加群 | オートマトン | 圏論 |
---|---|---|
モノイド | 連接自由モノイド | 圏 |
- | - | 対象 |
アトミック元 | 字 | アトミック射 |
単位元 | 空語 | 恒等射 |
モノイド元 | 語 | 射 |
加群台 | 状態空間 | ヘテロセット |
左加群 | 左オートマトン | 前層 |
右加群 | 右オートマトン | 余前層 |
双加群 | 双オートマトン | プロ関手 |
反応加群 | トランスデューサー | ?? |
?? | 模倣 | ?? |
?? | 双模倣 | ?? |
模倣は二重圏で考えればわかると思う。2セルのはずだ。