零付き圏
吸収元(absorbing element)を零と呼ぶのは混乱と誤解のもとになる。例えば、実数加法群で0は単位元だが吸収元ではない。∞を入れれば吸収元となる。それは承知で、吸収元の別名として零(ゼロ)を使うことにする。ただし、吸収元は(0, Oではなくて)zかZで表すことにする。
圏Cと射のクラス Z⊆C の組 (C, Z)が零付き圏(category with zeros)だとは:
- 任意のC(A, B)内に、Zの射がただ1つだけある。
- z, z'∈Z で結合可能なら、z;z'∈Z
- 任意のCの射fに対して、z, z'∈Z で結合可能なら、z;f ∈Z、f;z'∈Z
部分半圏の言葉を使えば:
- ZはCの部分半圏
- Zは広い(broad)部分半圏である。
- Zはやせた半圏である。
- Zに属する射は吸収的(absorbing)である。
零付き圏(吸収射付き圏)は、吸収元付きモノイドの圏化バージョンとなる。基点付き集合の圏、行列圏がその例となる。