スケッチと解釈
なにしろ、用語法が一番の問題だ。
ER図を改変した概念モデル図を概念スケッチと呼ぶとして。
- まずは単なる有向グラフ
- ノードに不変性マーカーを許す。不変性マーカーの付け方はまったく制限がない。
- スパンに同時単射性マーカーを許す。概念スケッチとしての制限はない。
- 三角形にコンポジション・ペインティングを許す。ペインタブル条件がある。
- 疑似三角形に直積ペインティングを許す。ペインタブル条件がある。
- 四角形にファイバー積ペインティングを許す。ペインタブル条件がある。
- 発展的に、(n+m)角形のコンポジション・ペインティングを許す。
- 発展的に、n角錘(n≧3)に直積ペインティングを許す。
- 発展的に、n角両錘(n≧3)にファイバー積ペインティングを許す。
- ニ角形に、転置ペインティングを許す。
この概念スケッチは、圏論的なスケッチで、有限極限スケッチ。それに対して、極限を入れないスケッチもある。
- まずは単なる有向グラフ
- ノードに不変性マーカーを許す。不変性マーカーの付け方はまったく制限がない。
- 三角形にコンポジション・ペインティングを許す。ペインタブル条件がある。
- 疑似三角形に直積ペインティングを許す。ペインタブル条件がある。
- 発展的に、(n+m)角形のコンポジション・ペインティングを許す。
- 発展的に、n角錘(n≧3)に直積ペインティングを許す。
- ニ角形に、転置ペインティングを許す。
この2つは、単にスケッチとしての種類が違うだけでなくて、想定している具体化方法が違う。圏論的にはモデルが値を取る圏が違う。上は集合圏に、下は関係圏にモデルを取る。この違いがけっこう厄介。
全射はSetモデル、後者はRelモデルだが、「モデル」って言葉がたぶん通じない。集合・写像-具体化と集合・関係-具体化とかだが、ここで「関係」がまた誤解される 、、、 ほんとに酷い状況だ。
苦し紛れだが、「関係≠リレーション」とでもするか。nomenclatureが大問題。
関係≒同時単射的スパン、関係のコンポジション≒スパンのコンポジション、スパンのコンポジションはファイバー積を使う。
ER図でも、次の概念はある。
ERモデルは、ドメイン、実体、関連の3階層モデル。いわば、三部有向グラフ。
先端\根本 | ドメイン | 実体 | 関連 |
---|---|---|---|
ドメイン | 関数? | 属性 | 関連の属性 |
実体 | ルックアップ? | 写像? | 参照 |
関連 | ルックアップ? | 対応? | 関連参照 |
関連参照の例:
- '授業'関連は'コース'実体を参照する→参照
- '授業'関連は'教室'実体を参照する→参照
- '授業担当'関連は'授業'関連を参照する→関連参照
アンビエント圏とマーカー/ペインティング
スケッチのモデルが値を取る圏をアンビエント圏とする。マーカーとペインティングを合わせて装飾(デコレーション)と呼ぶ。
装飾 | 集合圏 | 部分写像圏 | 関係圏 |
---|---|---|---|
全域 | アリ | アリ | |
単葉 | アリ | ||
単射 | アリ | アリ | アリ |
全射 | アリ | アリ | アリ |
合成 | アリ | アリ | アリ |
同時単射 | アリ | アリ | |
直積 | アリ | アリ | アリ |
ファイバー積 | アリ | アリ | |
転置 | アリ | アリ | アリ |
関係圏では、同時単射性=キー条件とファイバー積がなくなる。同時単射性は関係の定義に吸収されて、ファイバー積は合成(コンポジション)の定義に吸収される。
転置可能性と順序
順序に関しては:
- 集合圏での射の順序は等号に限る。
- 部分写像圏での射の順序は制限順序。
- 関係圏での射の順序は部分集合の包含。