数学の「知らない」「しない」
知らない:
- 言葉や記号に意味があると知らない。→ 記号操作ができればいい。
- 定理と公理の区別を知らない。→ たくさんの公式がフラットにある。
- 等式や不等式の変形に根拠があると知らない。→ やっていることが正しいかの意識がない。
一番多いのは、「意味」の存在が欠如している状況。式の変形のルール(推論規則)とかは難しいから、まーいいのだが、意味を持たないのはかなり困る。
複数の命題間に、導出関係/伴意関係があることを知らないと、公式群を年表のように覚えていくことになる。分配法則も三乗の展開公式も同列に並ぶ。
やらない:
- トライアンドエラーをしない。
- 実験をしない。
- 事例による確認をしない。
- 事例への適用をしてみない。
知らない事とある程度は連動している。意味(モデル)があるとは思ってないので、実例、具体例という概念がない。ので、「やらない」というか「やれない」のは当然。「証明をしない。」もあるが、形式的証明が出来ないのはまーいいんじゃないか、と思う。
手順を知っていればやり、そうでなければお手上げ -- all or nothing。
誤解:
- 解答は必ず一意的にある。
- やり方は決まっている。
- できないのはやり方を知らないから。
- 公式を教われば解ける。
数学の発見的側面、自然科学的側面、構成的な側面、不確定な側面、人間的側面などは完全に落ちている。次のやり方もあると認識してもらう。
- 近似的に解く。
- 部分的に解く。
- より簡単な問題を立てて、それを解く。
質問:
- …とは何ですか?
- …の例を知ってますか?
- 他にどんな例がありますか?
- 具体例で試してみてください。
- それはほんとに正しいですか?
- 正しい根拠はなんですか?
- いくつか(実験を)やってみてはどうですか?
- 使ってみてください。
- 何か使い途はありますか。