このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

数学の「知らない」「しない」

知らない:

  1. 言葉や記号に意味があると知らない。→ 記号操作ができればいい。
  2. 定理と公理の区別を知らない。→ たくさんの公式がフラットにある。
  3. 等式や不等式の変形に根拠があると知らない。→ やっていることが正しいかの意識がない。

一番多いのは、「意味」の存在が欠如している状況。式の変形のルール(推論規則)とかは難しいから、まーいいのだが、意味を持たないのはかなり困る。

複数の命題間に、導出関係/伴意関係があることを知らないと、公式群を年表のように覚えていくことになる。分配法則も三乗の展開公式も同列に並ぶ。

やらない:

  1. トライアンドエラーをしない。
  2. 実験をしない。
  3. 事例による確認をしない。
  4. 事例への適用をしてみない。

知らない事とある程度は連動している。意味(モデル)があるとは思ってないので、実例、具体例という概念がない。ので、「やらない」というか「やれない」のは当然。「証明をしない。」もあるが、形式的証明が出来ないのはまーいいんじゃないか、と思う。

手順を知っていればやり、そうでなければお手上げ -- all or nothing。

誤解:

  1. 解答は必ず一意的にある。
  2. やり方は決まっている。
  3. できないのはやり方を知らないから。
  4. 公式を教われば解ける。

数学の発見的側面、自然科学的側面、構成的な側面、不確定な側面、人間的側面などは完全に落ちている。次のやり方もあると認識してもらう。

  1. 近似的に解く。
  2. 部分的に解く。
  3. より簡単な問題を立てて、それを解く。

質問:

  1. …とは何ですか?
  2. …の例を知ってますか?
  3. 他にどんな例がありますか?
  4. 具体例で試してみてください。
  5. それはほんとに正しいですか?
  6. 正しい根拠はなんですか?
  7. いくつか(実験を)やってみてはどうですか?
  8. 使ってみてください。
  9. 何か使い途はありますか。