このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

行列のトレースの性質をやっと納得

カウフマンの"Knots"(http://citeseer.ist.psu.edu/497874.html)のfigure38を見てやっと納得した。

f:1×X→1×Xに対して、tr(f) = TrX1,1(f)と定義すると、自己射の全トレースが定義できる。tr(f)の値はいわゆるスカラー射(1→1のこと)になる。idXの全トレースは(圏論的)次元(categorical dimension)というやつだ。

tr(f;g) = tr(g;f) は、行列のトレースで出会うが、これは全然わからなかったな。計算しても納得いかなかった。f;g = Tr[(f×g);σ] を使うとわかる。詳細はともかくとして:


tr(f;g)
= tr(Tr[(f×g);σ])
= Tr(Tr[(f×g);σ]) // バニッシングを使って
= Tr[(f×g);σ] // ×の対称性
= Tr[(g×f);σ]
= Tr(g;f)
= tr(g;f)

絵算を使うと明白。tr(f;g) = tr[(f×g);σ]だから、コンパクト閉圏では、η;(f×g);ε と書けるのじゃないのかな?(η';(f×g*);εでした。) だとすると、tr(f;g)ってのは、fとgから作ったサークルだな。サークルはスカラーになるのか? だとすると、カウフマンブラケットやテンパリー/リーブ代数でサークルがスカラー乗法になるのが少しは説明できるかも。スケイン関係式はそれでも謎だが。