メイヤー系とコ/モナド
記法:
ベックの分配系は4種類あって、
3,4番の分配系を混合分配系と呼ぶ。1,2番は非混合分配系〈unmixed distributive system〉。
分配系の一番目の構成素(コ/モナド)に対して、そのアイレンベルク/ムーア圏を作る。二番目の構成素(コ/モナド)は、そのアイレンベルク/ムーア圏上のコ/モナドに持ち上がる。Yを二番目のコ/モナドとして、持ち上げをY↑δと書く。Y↑δに対して再びアイレンベルク/ムーア圏を作る。
以上の手順で出来た圏を分配系のアイレンベルク/ムーア圏とする。
非混合分配系の場合は複合コ/モナドが作れて、それのアイレンベルク/ムーア圏を作ればいいが、混合分配系の場合は複合系が作れない! 上記の持ち上げ方式だと、混合系を経由しないでアイレンベルク/ムーア構成ができる。
複合系が要らないので、自由にアイレンベルク/ムーア構成ができて、第一コ/モナドと第二コ/モナドの区別もシッカリできる。複合系を一般化してもアイレンベルク/ムーア構成は出来るかも知れない。
コマンド・クエリー分離されたメイヤー系は、コマンド・モナドのスタンピングによるモナドと、値の余代数スタンピングによるコマンドが作る、モナド・コモナド分配系になる。よって、そのアイレンベルク/ムーア圏が作れる。アイレンベルク/ムーア圏の対象は、モノイドが作用する状態空間(ラベル付き遷移系)に、クエリー構造を付けたもの。クエリー構造がコモナドの余代数であることから、副作用なし(余単位律)と内部生(余結合律)が出てくる。
メイヤー分配系の単一複合系は作れないので、持ち上げによって階層的に(繰り返しにより)定義するしかない。