ベクトル空間のインデックス構造とスカラー構造 続き
ネームとコネームに関しては、
コンパクト閉圏と絵算で理解する線形代数とシーケント計算(入り口だけ) - 檜山正幸のキマイラ飼育記
「f, ∩f, f∪ の三位一体」を基礎に据えて、コンパクト論理のシーケント計算を道具にして線形代数(の初歩)を展開するのは面白いなー、と思っています。そのことをチャント書いたことはないので、まー、いつか書くかも。
上記の記事では、ev:AA*→I なので左右の順序(テンソル積の順序)が逆になっている。右上ベンディングじゃなくて、左上ベンディング。
基底に関しては:
- a:I→X が基底
- Iが基底のインデックス集合
- Im(a) = {a(i)∈X | i∈I} を基底集合
- aを基底集合のインデキシング
- インデキシングが包含写像である基底をダイレクト基底
- Iが[n]である基底を番号基底〈numbered basis〉、インデキシングを番号インデキシング、または番号付け/ナンバリング
- 基底のインデキシングの線形拡張をフレーム、ただし、次の別用法が考えられる。
- フレーム=基底集合
- フレーム=番号基底
- フレーム=番号基底の線形拡張
- フレームの逆写像を逆フレーム
- フレームと逆フレームを使った表示を同伴射〈associated/assigned morphism〉
コンパクト論理との関係
公理命題または公理シーケント
- A → A 恒等
- (¬A, A →) 矛盾=ev
- (→ A, ¬A) 排中律=coev
- ¬¬A → A と A → ¬¬A 二重否定=ジェー=ゲルファント変換
- I → ¬I 禅論理の原理 単位のシャー
推論規則
Γ → Δ Φ → Ψ -------------------[マージ=空カット] Γ, Φ → Δ, Ψ Γ, A → Δ ---------------[否定] Γ → ¬A, Δ Γ, A, B, Γ' → Δ --------------------[テンソル積 右] Γ, A×B, Γ' → Δ Γ → Δ, A, B, Δ' -------------------[テンソル積 左] Γ → Δ, A×B, Δ' Γ → Δ,A A,Ψ → Φ ------------------------[カット] Γ, Ψ → Δ, Φ Γ → Δ Δ → Φ ------------------------[フルカット] Γ → Φ
絵算と論理
- ケーブル=ワイヤーの並び=ワイヤーラベルのリストが命題
- ストリング図(ダイアグラム)がシーケント=自然演繹の証明図
- ストリング図の変形がシーケントの推論=自然演繹の証明図の変形=自然演繹の基本リーズニング
- ストリング図の変形ツリーがシーケントの証明図=自然演繹のリーズニング図
カリー/ハワード対応により、コンパクト論理とコンパクト閉圏が対応する。コンパクト論理のモデルがコンパクト閉圏で、コンパクト閉圏の具体例がテンソル計算系。
そのとき問題になるのは、テンソル計算系が厳密モノイド圏上の厳密コンパクト構造を持つ。厳密コンパクト構造は、双対化子が厳密に対合的で、ゲルファント変換を経由しない(イコールになる)