ベクトル空間のインデックス構造とスカラー構造
index structure for vector spaces
- 𝒮はベクトル空間の有限集合(空でもよい)
- ℬは、𝒮の空間と、その双対空間、I, I* を入れた集まり。Iは単位空間。
- ℐは集合の集合
- ¬:ℐ→ℐ
- p:ℐ→{+, -}
- S:ℐ→ℬ
- β:ℐ→Mor(Vect)、ℐの要素に線形写像を対応させるのがβ
𝒮の要素を、指定されたベクトル空間〈specified vector space〉または選択されたベクトル空間〈selected vector space〉、ℬの要素を基本ベクトル空間〈basic vector space〉と呼ぶ。ℐの要素をインデックス集合〈index set〉と呼ぶ。
- 単位性 1∈ℐ、1は単元集合
- 無共分性 A, B∈ℐ、A ≠ B ならば A∩B = 空集合
- 有動対合(有動 = 不動点なし)
- ¬¬ = idℐ
- ¬A ≠ A
- 極性と対合 p:ℐ→{+, -}、p(¬A) = p(A)' ((-)'は符号反転)
- セマンティクス
- S:ℐ→ℬ は双射(全単射)
- p(A) = + ならば S(¬A) = S(A)*
- p(1) = I
- β(A):A→S(A) は基底、(S(A), β(A))は基底付き空間になる
ℐ* をクリーネスター(全角文字)として、ℐ*の要素をインデックスタイプと呼ぶ。インデックスタイプを [Ai], [Bj] のように書く。インデックスタイプの対 [Ai]→[Bj] をインデックスプロファイルと呼ぶ。
ℬからテンソル積で生成されたベクトル空間の集まりを𝒜とする。𝒜で生成されるVectRの充満部分圏を TS(𝒮) として、TS(𝒮) の射をテンソルと呼ぶ。インデックスプロファイルでプロファイリングされる。
その他の概念
- 同伴ユークリッド空間: Xに対する RA のこと。フレームと逆フレームでXと連絡されている。
- タプル:ユークリッド空間の要素のこと
- 同伴ユークリッド射: (X, a:I→X), (Y, b:J→Y) が基底付きベクトル空間として、a→;f;b← を同伴ユークリッド射と呼ぶ。
- 同伴複行列: 同伴ユークリッド射の複行列を、線形写像の同伴複行列と呼ぶ。
- 右上ベンディング:線形写像、ユークリッド射に対する基本操作で、coevを結合すること。
- 左下ベンディング:線形写像、ユークリッド射に対する基本操作で、evを結合すること。
- 縮約:線形写像/ユークリッド射に対して、ベンディングと結合を組み合わせた操作。
次の操作だけが基本操作である。
- 結合=フル結合 ;,
- テンソル積
他の操作は次のようにして実現できる。
基本射は、
- 恒等射=ワイヤー=空ノード
- 選択されたベクトル空間のev, coev =ベント/コベント=キャップ/カップ
- 単位空間のev, coev。
- 単位空間の組み込みシャー Ш:I→I*、逆シャー Ш-1:I*→I
単位空間の分岐射は δI = coevI;(IШ-1)
- λI = δI
- ρI = δI
- λI, ρI, δI はすべて等しくて、可逆。
δ-1 = (IШ);evI : II→I はI上の自己内積構造を与える。I* にも自己内積構造が与えられて、これがスカラーの掛け算。シャーは単位空間とスカラー空間=単位のEnd空間を同一視する対応を与える。
単位とスカラー、難しい。
- λI:II→I
- ρI:II→I
- evI:I*I→I
- coevI:I→II*
- Ш:I→I*
- δI:I→II
- スカラー s:I→I の(アブラムスキーの)ネーム s∩:I→II* と、ネームの縮約演算
- スカラーのネームの余縮約演算 = スカラーの掛け算の複行列表示
単位空間、スカラー射、外部スカラー空間=End(I)、内部スカラー空間=II=[I, I] = I*、単位空間の自己内積、内部スカラー空間の自己内積、スカラー射のネーム、スカラー射のコネーム、ネームの余縮約、コネームの縮約、スカラー射の結合〈合成〉、… などの関係をクリアにしよう。
単位空間の要素という概念はないので、単位空間のベクトル=スカラー、単位空間のコベクトル=スカラー、ベクトルとコベクトルの結合=(外部)掛け算、ネームとネームの余縮約=内部掛け算、コネームとコネームの縮約=内部掛け算。