有限DAGの進行的埋め込み定理
有限有向グラフGに関して、次は同値である。
- Gにサイクルがない。
- G上の傾向関数(trend function)が存在する。
- Gのユークリッド空間Rn+1への進行的埋め込み(progressive embedding)が存在する。
傾向関数の定義は、Gの2頂点a, bがこの順序で有向隣接するとき a◁b と書くことにして、
- h:Vertex(G)→R が傾向関数だとは、a◁b ならば h(a)<h(b) のこと。
Gを幾何複体として幾何的埋め込みを考えて、g:G→Rn+1が進行的埋め込みだとは、最後の座標関数が傾向関数になっていること。
傾向関数を作るには、有限DAGの次の性質を利用する。
- a, bを頂点として、Path(a, b)を有向パスの集合とすると、任意の2頂点に対するPath(a, b)は有限集合(空集合かもしれない)である。
逆も成立して、パス集合が有限であることは、アサイクリック性を特徴付ける。
傾向関数h(の事例)は、
- h(a) := maxlength(Path(∂inG, a))
で定義される。∂inG は、一般に入次数が0の頂点として定義される。空集合に関するmaxlengthは0と定義する。
この傾向関数で進行性埋め込みを作ると、入次数が0の頂点は、xn+1 = 0 の超平面内に配置される。