タオのトレース可換環の表現論 (2)
トレースの公理で、p = 2, 4, 8, 16, ... と2のベキ乗だけを考えて、「τ(fp)1/p が有界である」だけでいいようだ。|f|p := τ(fp)1/p としてpノルム(pは2のベキ)を定義して、次の変形ヘルダーの不等式を示す。
- |fg|p ≦ |f|2p|g|2p
これのベースとなるのがコーシー・シュワルツ不等式
- |τ(fg)| ≦ |f|2|g|2
p = 2 を最初に示して、後は帰納ステップ。
ヘルダーの不等式から、コーシー・シュワルツ不等式の一般化も得られる。
- |τ(f1...fp)| ≦ |f1|p...|fpg|p
pは相変わらず2のベキ。
同じfに対して、|f|2 ≦ |f|4 ≦ |f|8 ... も示せるが、そのベースとなるのは、
- |τ(f)| ≦ |f|2
fのところにf2を入れると、
- τ(f2) ≦ |f2|2 = τ(f4)1/2
左右の平方根を取ると、
- τ(f2)1/2 ≦ τ(f4)1/4
x | ≦ ρ(x) は定義からわかるから、ρ(x) = 0 ⇒ | x | = 0 。だが、この逆 | x | = 0 ⇒ ρ(x) = 0 が分からない。何か見落としているのか? |