このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

タオのトレース可換環の表現論 (2)

トレースの公理で、p = 2, 4, 8, 16, ... と2のベキ乗だけを考えて、「τ(fp)1/p有界である」だけでいいようだ。|f|p := τ(fp)1/p としてpノルム(pは2のベキ)を定義して、次の変形ヘルダーの不等式を示す。

  • |fg|p ≦ |f|2p|g|2p

これのベースとなるのがコーシー・シュワルツ不等式

  • |τ(fg)| ≦ |f|2|g|2

p = 2 を最初に示して、後は帰納ステップ。

ヘルダーの不等式から、コーシー・シュワルツ不等式の一般化も得られる。

  • |τ(f1...fp)| ≦ |f1|p...|fpg|p

pは相変わらず2のベキ。

同じfに対して、|f|2 ≦ |f|4 ≦ |f|8 ... も示せるが、そのベースとなるのは、

  • |τ(f)| ≦ |f|2

fのところにf2を入れると、

  • τ(f2) ≦ |f2|2 = τ(f4)1/2

左右の平方根を取ると、

  • τ(f2)1/2 ≦ τ(f4)1/4
x ≦ ρ(x) は定義からわかるから、ρ(x) = 0 ⇒ x = 0 。だが、この逆 x = 0 ⇒ ρ(x) = 0 が分からない。何か見落としているのか?