このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

スケッチ

スピヴァックもスケッチには言及しているので、ほんのちょっとだけ調べてみた。次の論文を斜め読みした。

これは短くよくまとまっていると思う。

  • スケッチは、60年代末にシャルル・エーレスマン(Charles Ehresmann)が考えたらしい。
  • 発案者がミカエル・マッケイ(http://www.math.mcgill.ca/makkai/ 発音 http://ja.forvo.com/word/michael_makkai/)かと思ったが違った。マッケイは一般化したらしい。
  • 初等スケッチ(elementary)または線形スケッチ(linear)というのが、スピヴァックのプレーンなスキーマに対応する。
  • スケッチは、a species of mathematical structure の記述らしいが、a species of categorical structure ならドクトリンになる。
  • 特に、multisorted(many-sorted)な構造にはスケッチが必要。one-sorted(single-sorted)な代数/余代数では済まないから。
  • 指標の言葉でいえば、sorts, operations, projectively constructed sorts, injectively constructed sorts を定義する方法。
  • 可換図式を単に図式(diagram)と呼んでいる。これは紛らわしいかも。
  • 錐と余錐の集合を指定するが、錐の側面の可換性を仮定しないことがあるらしい? 常に可換にしたほうがいいのではないか。
  • 錐と余錐の代わりに、楔と余楔に一般化できるかもしれない。実際、エンド/コエンド計算を主体にした圏的計算系があったような気がする。
  • 「スケッチの型」という概念が出てくるがいまいちハッキリしない。ドクトリンとみなしていいらしいが、ドクトリンがハッキリしないし。
  • ドクトリンと言い出したのはローヴェルらしい。代数理論ももちろんローヴェル(リントン(Linton)も寄与している)。初等トポスもローヴェル(オリジナルはグロタンディーク)。
  • 「スケッチを使って記述する」ことを動詞で「スケッチする」と言う。
  • ドクトリンとセオリーの関係はよく理解できない。もうちょい調べたい。
  • スケッチの分類トポス(classifying topos)があるらしい。

スケッチのデータベースへの応用だと次もあるが読んでない。