ハイパーインスティチューションの大事なこと
重要なのはグロタンディーク/エルブラン圏である。
MLの概念 | グロタンディーク/エルブラン圏 | 別な言い方 |
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シグニチャー | 仕様 | セオリー |
ストラクチャ | 絶対セオリー | インスタンス |
ファンクタ | 相対セオリー | トランスフォーマー |
シグニチャに属するストラクチャ | 仕様を満たす絶対セオリー | セオリーのインスタンス |
ストラクチャ/絶対セオリー/インスタンスは、インスティチューションのモデルになる。モデル射は、ひとつのシグニチャ/仕様の自己トランスフォーマーの特殊なもの。一般のトランスフォーマーにより、モデル圏のリダクト関手が定義される。リダクト関手は、指標射=トランスフォーマーで誘導される。
仕様の指標部で、定数名、関数名、述語名(基本命題名)が定めるから、対応する論理言語の論理式としてSen[Σ]が決まる。仕様の命題部でSen(Σ)は既に使っている。Mod[Σ]の作り方から言って、X∈|Mode[Σ]| は仕様の命題部の命題をすべて充足している。しかし、Sen[Σ]のその他の命題は、充足する保証はない。
ハイパーインスティチューション(あるいはグロタンディーク/エルブラン・インスティチューション)のモデル圏は、エルブラン・モデルとして定義される(だからエルブランを冠している)。
- ドクトリン → ベック(by Jon Beck)
- ハイパードクトリン → ローヴェル(Bill Lawvere)
- 平坦化/ファイバー化 → グロタンディーク(Alexander Grothendieck)
- 構文的項モデル → エルブラン(Jacques Herbrand)
グロタンディーク/エルブラン圏は、有限余完備圏である。が、直和がモノイド積としては与えることができない。直和や融合和(プッシュアウト、余ファイバー和)はup-to-isoで作ることができる。up-to-isoのisoを与えているのはリネーミング同型射である。
- up-to-iso = up-to-rename
これは非常に重要な知見である。up-to-renameはラムダ計算のα変換と同じだし、名前の影響は無視して良いことを示している。大局的プログラミングにおけるモジュール演算は、すべてup-to-renameで構成されるもので、確定的演算ではない!