接続と局所自明化
接続をマクロに書いてみると、束の局所自明化がどんなことか少し理解できる。
どんな接続でも、局所的には単純接続=積束上の接続として書ける必要がある。そうでないと関数概念で記述できないからね。積束上の接続は、適当なゲージ変換で自明接続に直せる。
接続=平行移動は、「変化しない」「静止している」などを規定するものだから、局所的に「変化しない」ことが自明接続で記述できることを要求する。これは、局所慣性系とか静止系とかの要請と同じだろう。つまり、「変化しないこと=定数=微分してゼロ」と考えていいわけだ、あくまでも局所的には。
ただし、「変化しない」とか「静止」とかは相対的な概念だから、他の系を「静止しない」とみなせば、別な系は「動いている」と見える。それが、接続が相対的にしか定義でいない理由。「標準的な接続=標準的な静止系」は取れない! 接続の差だけがベクトル量として意味があるのはそういう事情だろう。
「接続=平行移動=不変性=静止性=定数性」は相対的概念だが、「変化の変化=曲率=加速度=力」は接続によらずに定義できる。この「曲率=力」がエネルギー概念につながるのだと思う。力から計算される総エネルギー(積分値)が最小にする変分問題の解が例えば古典軌道を与える。