やっとわかった!デカルト圏
セリンガーが、「対角を持つ圏に、複製可能性と破棄可能性を入れたらデカルト圏だ」と言っていた。「そんなことはフォークロアだ」とも。が、僕はどうしていいものか方針が掴めなかった。
ランベックの定式化(演繹系としてのデカルト圏)をあいだにはさむと、結果は自明になる。次のような圏は同じものだ。
- 有限離散完備な圏(有限完備ではない!)
- 終対象と二項直積(binary product)を持つ圏
- 任意のA, Bに対して、A, Bを足に持つスパン(Y, p1:Y→A, p2:Y→B)で、スパンによる射の分解Hom(X, C)→Hom(X, A)×Hom(X, B)が双射となるものが存在する。
- ランベック流の定式化による(a la Lambek)デカルト圏
- セリンガー流の定式化による(a la Selinger)デカルト圏
標準的定義は「終対象+二項直積」だろう。これからランベック流は難しくないが、スパンによる分解を中継すると自然に出来る。ランベック流とセリンガー流の同値性は、ひたすら計算すればいい。
モノイド単位1が終対象であることも:
- f:A→1があるとき、f= f;id1 = f;!1 = !A
として等式的に出る。
Hom(X, C)≒Hom(X, A)×Hom(X, B) とか、次の最も基本的事実が効いていることがよくわかった。
- f = g ⇔ f;πi = g;πi for all i's
直積のup to isoでの一意性も、これから出るし。