n-集合、n-関数、n-関手
n-集合(n = 0, 1, 2, ...)という概念を定義する。これを定義するには「アトムを持つ集合論」とそのモデルが必要になる。例えば、ZFCをアトムを持つように修正したものをZFC+Atomとして、Vをそのモデルとすると、アトムのクラスVatomがある。アトムを持つ集合論を前提して:
- 0-集合とはアトムのことである。
- 1-集合とは集合のことである(アトムは集合ではない)。
- 2-集合とは圏のことである。
- n-集合とは(n-1)-圏のことである。
nが1以上なら、n-集合=(n-1)-圏 だが、n = 0 では 0-集合=(-1)-圏ではない。(-1)-圏は真偽値となる。アトムと真偽値は別な概念だ。
n-関数は、
- 0-関数とはアトムのペア(順序対)のことである。
- 1-関数とは関数のことである。
- 2-関数とは関手のことである。
- n-関数とは(n-1)-関手のことである。
n-関手は、変換手〈transfor〉から定義されるべきで、
- n-関手とは、(n, 0)-変換手である。
(n, k)-変換手は、ふたつのn-圏の(k-1)-変換手のあいだの射である。
- (n, 0)-変換手は、ふたつのn-圏の関手である。
- (n, 1)-変換手は、ふたつのn-圏の関手のあいだの射である。
- (n, 2)-変換手は、ふたつのn-圏の1-変換手のあいだの射である。
- (n, n+1)-変換手は、ふたつのn-圏のn-変換手のあいだの等式である。
(n, k)-変換手(0≦k≦n+1)の一般論はなかなかに難しい。