哲学的(?)議論の形式化
たまたまみた http://sets.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-ee0f.html に次のような"証明”(?)があった。
- (前提1)すべての事象は、特性Pと特性Mのいずれか、または、両者を持つ。つまり、すべての事象は、特性Pのみを持つP事象か、特性Mのみを持つM事象か、両者をもつB事象かのいずれかであるとする。
- (前提2)P事象はP事象かB事象にのみ影響することができ、M事象には影響しない。
- (前提3)M事象はM事象かB事象にのみ影響することができ、P事象には影響しない。
- (前提4)或る事象aの影響が他の事象bに及び、さらにその影響がもう一つの事象cに及んで、結果的に事象aの影響が事象cに到達するような関係を「影響の経路がある」と言うとするとき、或るP事象のあらゆる影響の経路がいずれのM事象にも達しない場合、そのP事象を「純粋なP事象」と呼ぶとする。また、或るM事象のあらゆる影響の経路がいずれのP事象にも達しない場合、そのM事象を「純粋なM事象」と呼ぶとする。
- (前提5)「或る純粋なP事象pと或る純粋なM事象mがともに存在する」が発言されたという事象を事象sとする。
- (前提6)事象sの文の内容は真であり、その正しさは経験的に確かめられる可能性を持つ。
- (証明)上の前提1〜6が同時に成り立つことはあり得ない。
- (7)sがMだと仮定する。
- (8)7のとき、「或る純粋なP事象pが存在する」は経験的に確かめられない。
- (9)しかし、これは前提6に矛盾する。ゆえに、7は偽。
- (10)sがPだと仮定する。
- (11)10のとき、「或る純粋なM事象mが存在する」は経験的に確かめられない。
- (12)しかし、これは前提6に矛盾する。ゆえに、10は偽。
- (13)9と12より、sはMでもPでもない。
- (14)しかし、これは1のすべての事象はMかPのどちらかであるというものに矛盾する。
- (15)よって、上の前提1〜6が同時に成り立つことはあり得ない。■
こういうのって形式化できるのだろうか?
- (前提1)∀e:Evt.( (P(e)∧¬M(e)) ∨ (¬P(e)∧M(e)) ∨ (P(e)∧M(e)) ), B(e) :⇔ P(e)∧M(e)
- (前提2)∀x, y:Evt. Affect(x, y) ⊃ ( (P(x)∧P(y)) ∨ P(x)∧B(y))∧¬(P(x)∧M(y))
- (前提3)∀x. y:Evt. Affect(x, y) ⊃ ( (M(x)∧M(y)) ∨ P(x)∧B(y))∧¬(M(x)∧P(y))
- (前提4)PureP(x) := P(x)∧(¬∃y.( M(y)∧Affect*(x, y) ) ), PureM(x) := M(x)∧(¬∃y.( P(y)∧Affect*(x, y) ) )
- (前提5)s := Spoken(`∃p.∃m.( PureP(p)∧PureM(m) )`)
- (前提6)事象sの文の内容は真であり、その正しさは経験的に確かめられる可能性を持つ。
前提6はうまく翻訳できなかった。これはメタな言明 |= s なのか? 「sの文の内容」が何を意味するか不明。「経験的に確かめられる可能性」も分からんが、||= (|= s) のようなメタメタ文と関係があるのか?
それと「すべての事象」が何を意味するかもわからない。
- (証明)上の前提1〜6が同時に成り立つことはあり得ない。
とりあえず先に進む。
- (7)assume M(s)
- (8)7のとき、¬(|= ∃p.PureP(p))
- (9)しかし、これは前提6に矛盾する。つうことは、前提6は |= ∃p.PureP(p) を導くはず。
- (10)assum P(s)
- (11)10のとき、¬(|= ∃m.PureM(m))
- (12)しかし、これは前提6に矛盾する。つうことは、前提6は |= ∃m.PureM(m) を導くはず。
- (13)9と12より、sはMでもPでもない。
- (14)しかし、これは1のすべての事象はMかPのどちらかであるというものに矛盾する。ということは、s∈Evt でなくてはならない。
- (15)よって、上の前提1〜6が同時に成り立つことはあり得ない。■
うーん?? `…` をゲーデル符号化として、論理式がEvtに埋め込まれるとはしているが、「発話された」とが意味不明。s := `∃p.∃m.( PureP(p)∧PureM(m) )` なのか、「発話された」も含めた s := Spoken(`∃p.∃m.( PureP(p)∧PureM(m) )`) かも不明。
「事象」とか「文」とか「発話」とかが正確に定義されてないので、とりあえずなんともいえん感じ。