タビュレーション付きダガー表示
ダガー圏の表示として次のものを考える。
- 箙
- 箙のパス等式系
パス等式系は、辺の連接とダガー演算を使った形式的な項のあいだの形式的な等式の集まり。箙から生成した自由ダガー圏を、パス等式系で割り算してダガー圏ができる。
ダガー圏の表示をダガー表示と呼ぶ。Dがダガー表示のとき、生成されたダガー圏をD◇で表す。ダガー表示D, Eのあいだの射は、D◇→E◇ というダガー関手のこと。
Eがダガー表示のとき、E上のタビュレーションとは、集合Tで添字付けられた部分箙の族。正確に言うと:
- Tは集合。
- Eの箙をQ(E)とする。Q(E)の部分箙の全体を Subquiv(Q(E)) とする。
- τ:T→Subquiv(Q(E)) がタビュレーション(tabulation)。
τがタビュレーションであるとき、τ(t)の合併がQ(E)のとき、τはカバリング(被覆)という。被覆になっているタビュレーションだけを考える。
t∈T に対するτ(t)を、tのテーブルスキーマと呼ぶ。τ(t)が結合可能は射のペアを含まないときtは従属性を持たない、という。τ(t)内に結合可能なペアを持つとき、tは従属性を持つ。
箙Q(E)の辺fに対して、f∈τ(t) となるようなtが2つ以上あるとき、τは非直交と呼ぶ。非直交でないタビュレーションを直交タビュレーションと呼ぶ。
ダガー表示E上のタビュレーションτが完全(perfect)タビュレーションだとは:
- すべてのtが従属性を持たない。つまり、τ(t)内に結合(連接)可能な辺が含まれない。
- 直交タビュレーションである。
関手 D◇→E◇ があると、タビュレーションのあいだのデータ移動も定義できるか? タビュレーションも関手として定式化できないか?