このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

パッセンジャー

よく出来たお話だなー、と思った。ただし、ラブ・ストーリーとしてね。

SFアクション大作とか期待していると落胆するだろう。これは男女の物語。なにしろ、登場人物が男性・ジム(クリス・プラット)と女性・オーロラ(ジェニファー・ローレンス)だけ。ロボット・バーテンダーのアーサー(マイケル・シーン)と最後のほうで搭乗員ガス(モーフィアス役のローレンス・フィッシュバーン)が少し出てくるけど、基本的に「二人(だけ)の恋の物語」。

宇宙や宇宙船は単なる舞台装置で、エンジンの核融合炉(リアクター)は蒸気機関みたいに描かれているし、120年かけてコロニーに向かうという基本設定からしてオカシイ。SFとしてはツッコミどころ満載ではあるけれど、ラブ・ストーリーとして観るならそこはどうでもいい。それなりに金をかけていそうな宇宙/宇宙船のセットは、きれいな背景としてはちゃんと機能している。

ジェニファー・ローレンスはとてもチャーミングだし演技もうまいし、よい女優さんだと思います。そりゃ人気も出るでしょう。素晴らしいんだけど、単に個人的な嗜好から言うと、それほど惹かれない。身体能力高い系女子が好きな僕には、若干モッチリした感じがイマイチなのかも。

アクションとしての見どころはあまりない。無重力状態になってプールの水が巨大な水球になるところくらいかな。でも、アクションやアドベンチャーじゃないから、これもどうでもよろしい。

宇宙空間で、男女がイチャイチャしたり喧嘩するだけの話だと言えば、まー、そのとおりなんだが、僕は嫌いじゃない。アクションやアドベンチャーじゃないけどハラハラ・ドキドキはする。恋路の行方にハラハラ・ドキドキね。

男性主人公のジムは最低クソ野郎じゃねーか、という意見もあろうし、オーロラの癇癪持ちも二人きりの世界では耐え難い性格である気もする。が、いずれにしてもおとぎ話。まーまーハッピーエンドなので後味も悪くない。良い映画でした。