ベッチ・オートマトン
2-豊饒化(2-enrichments)とベッチ・オートマトン - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編に2-豊穣化が出てる。http://arxiv.org/abs/cs/0602077 に基づく議論。だが、これは大げさ。次で十分だろう。
Mを順序モノイドとする。典型的には Lang(Σ) = Pow(Σ*) に連接と包含順序を入れたもの。次のようにしてモノイド圏Cを作る。
- |C| = M
- C(a, b) は a≦b かどうかで決まる。順序に基づくやせた圏を作る。
- a, b∈|C| = M に対するモノイド積は、もとの積*を使って、a*b
- 厳密モノイダルなやせた圏Cが出来る。
Mの可換性は要求してないので、Mは非対称厳密モノイダルなやせた圏となる。さらにMは原子的とする。原子的とは、原子元で生成されること、デジタルなモノイド - 檜山正幸のキマイラ飼育記で言っているデジタルモノイドのこと。
Xが有向グラフとして、Xの次元をシフトさせる2グラフ写像 h0:|X|0→|C|-1, h1:|X|1→|C|0 で次の条件を満たすものを考える。
- C-1は単元集合で、h0は自明な写像。
- h1は辺にMの原子元=Cの原子射を対応させる。
Xが反射的推移的グラフ(幾何的圏、三角2セルの集合を持つ)のとき、推移=結合を示す2セルにCの1セル=Cの射=順序 を対応させる写像を豊饒圏と呼ぶ。
すると、原子射への対応を生成系として最小の豊饒圏が決まる。これがベッチ(betti)オートマトン。次の構成とほぼ同じ。