統計変換としての平均と分散
, s2, の確率変数版は、, S2, U などと書かれるが、もっと正確な定式化には統計変換を使うほうが良い。
, S2, U に対応する統計変換を、Mn, BVn, UVn と書く。nは標本サイズを示す整数。確率変数 X:Ω→R に対して、
- Mn[X]:Ωn→R Mn[X] := mean(X(n))
- BVn[X]:Ωn→R BVn[X] := bvar(X(n))
- UVn[X]:Ωn→R UVn[X] := uvar(X(n))
次の公式は重要。
- E[Mn[X]] = E[X]
- Var[Mn[X]] = (1/n)Var[X]
これは、次のように略記される。(μX = μ[X] = E[X]、σ2X = σ2[X] = Var[X])
さらに、Xとxを同一視して(最悪だけど)
これらは、統計変換Mと統計汎関数μ[-] = E[-], σ2[-] = Var[-] のあいだの関係式である。
統計変換の値である確率変数 Mn[X] は、統計汎関数の値 μ[X] に漸近する。つまり、limn→∞ Mn = μ である。統計変換の有向族は、統計汎関数を近似する。さらにMnは任意のnにおいて不偏性を満たす。標本サイズを増やさなくても、標本回数(サンプリング回数)を増やしてその平均を取れば真値(統計汎関数の値)に近付く。
同様に、統計変換BVとUVは、統計汎関数 σ2[-] = Var[-] を近似する。特にUVは不偏性を持つ。