勘違い! 確率標本はモノイド累乗関手だった
Ω = (Ω, ΣΩ, P) が確率空間とする。可測空間を Ω = (Ω, ΣΩ) として、Ω = (Ω, P) とも書く(かなり酷い記号の乱用)。
確率変数(変量、基本観測量)X:Ω→Rがあるときに、サイズnの確率標本は、 だと書いてきたが、これは間違い! 単にテンソルベキ が確率標本だった。確率変数Xに伴うサイズnの確率標本を X(n) と書くなら、
確率変数XからX(n)を作る操作を Sampn:X|→X(n) と書くと、Sampnは関手になる。Sampnは、単なるテンソルベキ関手(モノイド累乗関手)である。任意のモノイド圏で定義可能。
モノイドn項積関手 は次のように定義できる。
これはn項関手で、C× ... ×C→C となる。n = 0 のときは、Cのモノイド単位を指し示すポインティング関手となる。n-対角関手とn項積関手を結合して、nベキ(n累乗)関手を定義できる。