このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

convention over configuration な計算 2

可測な文脈において:

  1. X, Yなどは可測空間、σ代数は明示しない。
  2. A⊆X は、Aが可測空間の可測集合であることを示す。
  3. X上の測度μに対して、μ(;x)dx という測度微分形式を考える。
  4. M(Y)はY上の有界測度の全体(モナドの台関手)として、α:X→M(Y)は測度値写像
  5. 測度値写像は、カリー化/アンカリー化を同一視する。α(x)(B) = α(x; B) = α(x, B)
  6. 積分はブラケットで略記する。 [A|被積分項]
  7. 積分項には測度微分形式を使う。[A|f(x)μ(;x)dx]
  8. 全空間の積分のときには積分領域を省略してよい。[X|f(x)μ(;x)dx] = [f(x)μ(;x)dx]

次が基本:

  • 測度 μ =~ μ(;x)dx
  • 測度値写像 α(x) =~ α(x; y)dy

ここで、=~ はコンベンショナルな等号で、右辺が左辺の表現を提供することを示す。次の等号は合理化できる。

  • μ(A) = [A|μ(;x)dx]
  • α(x)(B) = [B|α(x; y)dy]

μ∈M(X)、α:X→M(Y)、β:Y→M(Z) に対して、次を定義する。

  • α*μ∈M(X×Y) αとμのテンソル
  • α.μ∈M(Y) μへのαの適用
  • β・α:X→M(Z) αとβのクライスリ結合(合成)

テンソル積の定義:

  • α*μ =~ (α*μ)(;x, y)d(x, y) := α(x;y)μ(;x)dx,dy

これは積分しないと意味を持たない。

  • [A×B|(α*μ)(;x, y)d(x, y)] = [B|[A|α(x;y)μ(;x)dx]dy]

外側の積分は、[B|[A|α(x;y)μ(;x)dx]dy] → [A|α(x;B)μ(;x)dx] と書き換えて解釈する。したがって、

  • [A×B|(α*μ)(;x, y)d(x, y)] = [A|α(x;B)μ(;x)dx]

次のようにも書ける。

  • (α*μ)(A×B) = (α*μ)(;A, B) = [A|α(x;B)μ(;x)dx]

適用の定義:

  • a.μ =~ (α.μ)(;y)dy := [α(x;y)μ(;x)dx]dy = [X|α(x;y)μ(;x)dx]dy

B⊆Y を入れてみる。

  • (α.μ)(;B) := [B|[α(x;y)μ(;x)dx]dy] = [B[X|α(x;y)μ(;x)dx]dy]

[B[X|α(x;y)μ(;x)dx]dy] → [X|α(x;B)μ(;x)dx] = [α(x;B)μ(;x)dx] なので、

  • (α.μ)(;B) := [α(x;B)μ(;x)dx]

これは、測度(分布)のαによる前送りを定義する。定義から

  • (α.μ)(;B) = (α*μ)(X×B) = (α*μ)(;X, B)

結合の定義:

  • β・α =~ (β・α)(x) := [Y|β(y;z)α(x;y)dy]dz

これより、

  • (β・α)(x)(C) := [C|[Y|β(y;z)α(x;y)dy]dz]

[C|[Y|β(y;z)α(x;y)dy]dz] → [Y|β(y;C)α(x;y)dy] と変形して、

  • (β・α)(x)(C) := [Y|β(y;C)α(x;y)dy]