このブログは、旧・はてなダイアリー「檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama-memo/)のデータを移行・保存したものであり、今後(2019年1月以降)更新の予定はありません。

今後の更新は、新しいブログ http://m-hiyama-memo.hatenablog.com/ で行います。

derivatorの定義

ドゥニシャルル・シザンスキー(Denis-Charles Cisinski)とアムノン・ネーマン(Amnon Neeman)の "Additivity for derivator K-theory" http://www.math.univ-toulouse.fr/~dcisinsk/addkth.pdf より:

  1. Der-1 (Non-triviality axiom) D(Σ(i∈I | Xi)) → Π(i∈I | D(Xi)) は圏同値。
  2. Der-2 (Conservativity axiom) xがXの点(対象)として、族 (x*:D(X)→D(1) | x∈|X|) は保存的(conservative)である。保存的とは、φ:F→G がD(X) の射のとき、すべてのxに対するx*(φ) がD(1) 内で同型なら、φはD(X)内で同型であること。同型の判定が点ごとにできる。
  3. Der-3 (Direct image axiom) ドクトリン(定義域)の射に対して、標準逆像関手(引き戻し)の左随伴と右随伴がある。
  4. Der-4 (Base change axiom) [記述が面倒なので後にする]
  5. Der-5 (Essential surjectivity axiom) I = {0←1} という圏として、標準的に定義される D(I×X) → [Iop, D(X)] という関手は充満で本質的に上射である。

Dの定義域は、圏の圏だが、空間の圏だと思ってよい。よって、D(-) は、空間の反変不変量を圏として与えるものだ。D(-) はX上の層の圏のようなもの。ただし、通常はD自体が空間を隠し持っていて、空間の性質を反映している。

Der-1 は指数法則、Der-2は点ごとの局所性、Der-3は0次のホモロジーコホモロジーがあること、Der-4が基底変換公式、Der-5は柱体とパス空間の関係を与える。層のコホモロジーと柱体を使ったホモトピーの一番基本的な部分は出来ることを保証している。そんな感じだ。