随伴対と自明なモノイド
随伴と双対を区別せずに、F -| G とか A -| B と書くことにする(ストリート流)。F -| G のとき、
- G = F*
- F = *G
と書いて、
- G = F* はFの右随伴
- F = *G はGの左随伴
と呼ぶ。左右が逆になる用語法もあるが、四の五の言ってもラチがあかないので、とにかくこう決める(セリンガーの定義)。
F -| F* のとき、単位η:I→F*・F と 余単位ε:F・F*→I が決まる。正確には、(F, F*, η, ε)が随伴対。ここで「・」は当該の圏のモノイド積だとする。圏がEnd(C)のとき、・は関手の反図式順結合。
M = F*・F とおく。随伴対の単位は η:I→M となる。μ:M・M→M を、
- M・M = (F*・F)・(F*・F) = F*・(F・F*)・F
を使って、μ := F*・ε・F として定義する。これは、随伴対から決まる標準的なモノイドで、モノイド法則は単位/余単位に関するジグザグ法則から自動的に出る。
関手の随伴対からモナド=関手圏のモノイドが出現するメカニズムはこれだけだ。逆方向に、モナドから随伴対を構成するのは難しいが。