双模倣の定義
セリンガーの http://www.mathstat.dal.ca/~selinger/papers/catasynch.pdf などを参考に、ラベルなし(単純)のケースで述べておく。
s, s'∈S, t, t'∈T、双模倣を与える関係をR⊆S×T、遷移(1ステップ)を矢印で表す。また xRx' を x〜x' で示す。
- s〜t, t→t' ならば、s'〜t', s→s' となるs'がS内にある。
- s〜t, s→s' ならば、s'〜t', s→s' となるt'がT内にある。
以上が強双模倣の定義になる。普通の遷移以外に、無音遷移 x…→x' が定義されていれば、弱双模倣も定義できる。が、とりあえずラベルなしのケースでは強双模倣だけを考える。
SがTをRにより模倣できるとは、双模倣の半分の条件が成立すること:
- s〜t, t→t' ならば、s'〜t', s→s' となるs'がS内にある。
遷移グラフとしてT⊆S(Tは部分グラフ)のとき、Sは包含によりTを模倣できる。これが典型例。
模倣可能性は、遷移系全体の集まりにプレ順序を入れる。このプレ順序は、模倣を射とする圏を2値化して得られるやせた圏のことだ。プレ順序から導かれる同値関係が振る舞い同値を与え、同値類が振る舞い型となる。