MAT関手はべき等モナド
MAT関手を分類して、対象の空列を認めるものをMAT*、空列は認めないものをMAT+ とする。近加法圏の上の関手としては、MAT+のほうが扱いやすい。
実は、MATは、半加法圏を作り出す関手だが、単なるAbMon圏に作用させるときはMAT*、近加法圏に作用させるときはMAT+が便利なのだ。AbMon圏では、零対象、零射が存在するとは限らないので、サイズが0の列や行列で零を表現する。零の存在が保証されている近加法圏ではサイズ0は邪魔になる。
いずれにしてもMATはモナドであり、MAT(C)は半加法圏となる。双積は、対象列の連接と行列のブロック対角行列によって与えられる。CがAbMon圏または近加法圏なら、MAT(C)は半加法圏となり、MAT(MAT(C))は潰れる(同値コントラションを持つ)。よって、圏同値の意味で、MATはベキ等モナドになる。