テンパリー/リーブ圏のスカラー
テンパリー/リーブ圏のスカラーのことを書いておく。
TL(0, 0)を、アブラムスキーは(抽象)スカラーと呼んでいる。スカラーは可換モノイド(可換性はケリーによる)になる。もし、圏がAb-豊饒なら可換環になることがわかる。
係数なしの純幾何学的には、TL(0, 0)の元は{◇n | n = 0, 1, 2, ...}と書ける。◇はループ(サークル)を表す。◇nを(n)と書くことにすると、(0) = id0。TL(0, 0)のもの凄く特殊な点は、結合と積(モノイド積/テンソル積)が一致していること。つまり、(n);(m) = (n + m)、(n)×(m) = (n + m)。結合と積が単一演算に退化しているので、スカラー環の乗法は結合とも積とも解釈できる。
kがスカラーのとき、f:X→Y とのスカラー乗法k・f を k×f:1×X→1×Yの前後を、λ'X:X→1×XとλY:1×Y→Yではさむ形で定義していたような気がする。ジョーンズ基底Uiに関するUi2 = τUiという関係は、スカラー乗法で説明できないかな?
係数なしTLのスカラーは、自然数の足し算モノイドになり、係数を入れると1変数の多項式環になる。不定元をXとすると、準同型f:R[X]→Rはf(X)∈Rで決まる。これが、ジョーンズ関係式で出てくる乗数τのような気がする。