観測者側の系
観測子とは何であるか - 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編は少し変だった。次のように考えるべき。
実験観測をする側に、刺激(または信号)の履歴(または記憶)を蓄積しているデータHと、観測量または観測命題Pがある。新しい刺激・アクションaを投入すると、履歴Hにaを追加して、Pを新しい観測命題P'に置き換える。H→H+a、P→P' をaによる遷移と考えた系が観測者側で構成できる。
対象系に対して、対応する観測者側の系が(原理的には)構成できる。対象系のモデルを、観測者側の系から(超越的にでもいいから)構成する手法を与えるのがマイヒル/ネロード型の定理ってことだろう。
対象系Sと状態xに対して、刺激履歴Hの後でPが成立することを S, x |= {H}P と書いて、充足構造が定義できる。観測者側の系では、観測の初期状態(対象系の初期状態ではない!)が必ず特定されているので、点付きの系となる。たくさんの点付き系で対象系を近似し、覆っていくことが、「対象系を調べる」ことなのだろう。