圏のテンソル積
んで、そのシーガルが講義録"Lecture 3 Braided tensor categories"(http://www.cgtp.duke.edu/ITP99/segal/stanford/lect3.pdf)で、category-valued field theoryを定義している。TQFTの値をヒルベルト空間から複素線形圏に置き換えたもの。
リー群のループ群の表現が動機付けに使われている。Gに、Loop(G)の複素線形表現の全体の圏を対応させる状況が典型例として使われている。直積群G×Hに対して、Gの表現とHの表現のテンソル積表現が作れるので、これをモデルにしてテンソル圏のテンソル積が使われている。
一般に、空間Xの構造が、なんらかのK値関数環C(X)で記述できるなら、X上のK-ベクトル束の圏は、C(X)上の加群の圏ModC(X)(の部分圏)と考えてよいだろう。加群の圏は直和(双積)を持つ線形圏(あるいはアーベル圏)となる。
これで、(空間X |→ 線形圏)という対応ができる。線形圏が同値なら、空間も似ていると言える。圏も一種の位相不変量のようなもの。空間=関数環と考えれば、森田同値ってやつではないだろうか。
空間X×Yに対応する圏を作るために、圏のテンソル積が必要になる。圏の双対、指数、ペアリングなどもベクトル空間と類似に構成できて、圏の圏が一個のテンソル圏のようになるのだろう。テンソル圏のテンソル積 -- これはアヤシイ(=ステキな)概念だ!