自由構成は重要だ
"GENERIC COMMUTATIVE SEPARABLE ALGEBRAS AND COSPANS OF GRAPHS"(http://www.tac.mta.ca/tac/volumes/15/6/15-06.pdf)とか、アブラムスキーの"Abstract Scalars, Loops, and Free Traced and Strongly Compact Closed Categoris"(http://web.comlab.ox.ac.uk/oucl/work/samson.abramsky/calco05.pdf、関連資料はgoogle:site:web.comlab.ox.ac.uk "compact closed category"で探せる)とかを眺めるに、圏の自由構成が非常に大事なことがわかる。
圏に関するあるセオリー(形式的理論)TがあるときFreeCat[T](Σ)を(圏的な)指標Σから生成される自由T圏だとする。FreeCat(Σ) = FreeCat[](Σ)は単なるプレーンな自由圏とする。1を自明な指標として:
- FreeCat(1) = {1つの対象と恒等だけの圏}
- Mはモノイド圏論として、FreeCat[M](1) = (N, +, 0) 射は恒等だけ、離散的な可算圏。1以外の指標では非可換積になる。
- SMは対称モノイド圏論として、FreeCat[SM](1) = (N, +, 0)に加えて、Hom(n, m) = if (n = m) S(n) else Empty (S(n)は対称群)となるgroupoid。
- BMはブレイドモノイド(braided monoidal)圏論として、FreeCat[BM](1) = (N, +, 0)に加えて、Hom(n, m) = if (n = m) B(n) else Empty (B(n)はブレイド群)となるgroupoid。
- SM-dはdischarger付き対称モノイド圏論として、FreeCat[SM-d](1) = (N, +, 0)に加えて、Hom(n, m) = {[m]から[n]への単射の圏}
- BM-dはdischarger付きブレイドモノイド圏論として、FreeCat[BM-d](1) = (N, +, 0)に加えて、Hom(n, m) = {n≧m で、射はストランドの途中消滅を許すブレイド}
セオリーTに対するT圏の圏をCAT[T]とすると、FreeCat[T](1)はCAT[T]の始対象となる。
いろいろなTに関して関手FreeCat[T]:Sign→CAT[T] を具体的に構成することは重要だし、いろいろと役に立つ。例えば、クリーネ圏(Kleene圏)、コンウェイ圏(Conway圏)、コンパクト閉ブレイド圏の自由構成など。