Bekicの公式
ベキック(Bekic; cの上にv字形のダイアクリティカルマーク)の公式は、並列結合の不動点を、不動点の直列結合で表現する。これをソフトウェア的に解釈する。
fは、制御パラメータ領域Aと入出力領域Xを持つ関数、プロセス、力学系などとする。制御パラメータa∈Aを固定するごとに、f_a:X→Xの不動点fix(f_a)が定まるとしよう。これをaの関数と見て、λa∈A.fix(f, a) : A→X が定まる。この (A,X→X)→(A→X) がConway不動点オペレータ。
f:A,X→X, g:A,Y→Y が2つの系だとして、制御パラメータ領域Aは共通。このとき、並列結合 A,X×Y→X×Y が定義できる。この並列結合を<f|g>と書くことにする。<f|g>の不動点<f|g>†をfの不動点とgの不動点によって書き下す公式がBekicの公式。(Bekicの公式を今は書き下さない。)
Bekicの公式は、Conwayのsum-star equation (x+y)* = (x*y)*x* と似ている。たぶん、対応しているのだろう。それと、sum-star equationとKozenによるスターの行列表示も似ている。本質的に同じなんだと思うが、ハッキリとしない。